あらすじは映画.comから。
ヒトラーが現代によみがえり、モノマネ芸人として大スターになるというドイツのベストセラー小説を映画化。
服装も顔もヒトラーにそっくりの男がリストラされたテレビマンによって見出され、テレビに出演させられるハメになった。男は戸惑いながらも、カメラの前で堂々と過激な演説を繰り出し、視聴者はその演説に度肝を抜かれる。かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸として人々に認知された男は、モノマネ芸人として人気を博していくが、男の正体は1945年から21世紀にタイムスリップしたヒトラー本人だった。
ヒトラー役を演じるのは、舞台俳優オリバー・マスッチ。
舞台はドイツ。クビ寸前の冴えないテレビマンが路上でうっかり発見するヒトラーそっくりの男。彼を使っておもしろドキュメントを水曜どうでしょうみたいにロードムービー的に撮っていく。その動画を見たテレビ局幹部はyoutubeでの再生数に驚き、地上波にも彼を登場させはじめる。みんながコメディアンだと思っているヒトラーそっくりの男が、ヒトラー本人だと知っているのは作中の本人と観客の私たちだけ。明日のドイツはどっちだ!?
で、その冴えない若いテレビマンは、赤いダウンの袖なしベストを着ているんですけど、バック・トゥ・ザ・フューチャーのマーティへのオマージュなのかな。そして最後のシーンは未来世紀ブラジル? 「いろいろな映画愛が詰まってますよー」という気持ちはわかる、わかるんだけど、ヒトラー側の描写はすごくいいのに、テレビマンまわりのエピソードがイマイチで、ドイツ映画の底力はそんなもんなのかい?、と心配になった。
お話は、ボラットのように現実と虚構がガッチリと噛み合って進んでいく。
ヒトラーとテレビマンのロードムービーのシーンには、生のドイツ市民が多数出演している、まるで新橋の駅前でテレビの街頭インタビューにしっかり答えちゃう酔っぱらいのおじさんたちのような危なっかしさで。そういった描写が挟まっていくうちに、私が見ているのは映画なのか現実なのか非常にざわついた気持ちになっていく。これ、もうちょっと巧みな脚本だったら、かなりの爪痕が残ったのではないでしょうか(特にテレビマン側)。
ヒトラーを演じたオリヴァー・マスッチさん、実際のヒトラーより背も高いしがっちりした体躯。ヒトラーの顔づくりのメイクに毎回数時間費やしたそうです。
「注目映画紹介:「帰ってきたヒトラー」 楽しげにSNSを拡散していくヒトラー総統が空恐ろしい」(June 16, 2016 at 10:57PM) https://t.co/BVyxUAVsAt
— MANTANWEB (@7109mw) 2016年6月16日
それもそのはず・・・・なんだこのイケオジ・・・!?
Oliver Masucci pic.twitter.com/xHAYP5k28M
— D A R K (@darkastweets) 2018年6月3日
誰かっ、早く! ここにドイツのマッツ・ミケルセンがいましたよ! ヒトラーという人物を演じること、ドイツの市民と関わるシーンを撮影するため、ドイツ国内でも知名度の低い舞台俳優さんを主演に据えたそうです。多分、イケメンってだけで苦労したんだろうな、この人、まんぷくの福ちゃんがパートに出てる喫茶店のマスターみたいな挫折を味わってきたと思うの。この映画で彼の人生が一変しているといい!
amazon prime video で。いい声優さんが揃っている吹替版で見ました。みなさまもぜひ。