冬の月夜の上野の博物館/御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」


※写真と本文はまったく関係ありません。

秋の恒例行事といえばここ数年は奈良の正倉院展ではありましたが、今年は御即位記念ということで正倉院の宝物が『ベストセレクション!!』といった陣営で東京にやってくるとのこと。さらに週末の金曜と土曜は21時まで延長展示! 公式アカウントの「ただいまチケットの待ち時間はゼロ、ご入場待ち時間は30分です」のツイートを確認してからシタっと行ってきました。

現地に到着してみると館外は人もまばら、行列らしい行列も出来ておらず入場の待ち時間ゼロですんなり入れる。混雑もあったけれど想定の範囲内で、というか予想より少ないくらいで(でも混んでいるんですよ、すごく混んでいるんですよ、東京の山手線の8時と10時の込具合の違い程度ですよ!)、思ったよりもゆったりしていて空いてるところをひょいひょい狙って軽やかに移動すればそれぞれじっくり鑑賞することができ大変満足! 奈良の土曜の午後の正倉院展のほうがぎゅうぎゅうで身動き取れなかった記憶が。やっぱり東京国立博物館と名がつくくらいなのだから、立派で大きな建物ということなんでしょうかねえ、スペースにたいそうゆとりがありました。 

今回は、ザベストセレクションということもあり、何年かにわけて奈良で会ったことのある宝物が一同に会していたりして、ふふふと苦笑い。奈良の展示と大きく違う点は、展示物の硝子ケース拭き拭き隊がおらず、展示硝子が人の手垢と皮脂で汚れておりました。奈良ではごちんと頭をぶつけるくらい常に磨き込まれていて、鑑賞者の指先が少しでも硝子に触れようものなら、拭き拭き隊がさり気なくやってきて、さっと拭き消していったものですが、東京には拭き拭き隊がいない。会期終了までにどこかで気がついていただけますよう。

 

展示で印象的だったのは平螺鈿円鏡、白瑠璃碗、お香まわりの品々もよござんしたし、甘竹簫、聖武天皇の書、凶暴な熊が描かれた動物闘争文帯飾板、あとあとあと羊毛フェルトで作られた花氈。これは素晴らしかったー。あの柄でおうちにほしい! 正倉院まわりの行事や調査の様子をまとめた映像もよくできていて、理解が深まりました。

ペルシャからやってきたといわれている切子の亀甲柄の「白瑠璃碗」。これさ、私の子供時代に実家で使っていたオレンジ色の大きなサラダボウルとそっくりなんですよね。この白瑠璃碗をもとに大量生産用に作ったんだろうなーと大人になった今ではわかります。

ともあれ、聖武天皇の時代から続く宝物たちに「また会えたね」などと言える素晴らしい時代に居合わせたことを感謝します。今年も良い正倉院展でございました。

 

ねこねこ日本史 (コンペイトウ書房)


雑集 聖武天皇筆 奈良時代天平3年 正倉院
花氈 中国・唐時代 八世紀 正倉院
漆胡瓶 中国・唐または奈良時代 八世紀 正倉院
龍首水瓶 飛鳥時代 七世紀 東京国立博物館(法隆寺献納宝物)
白瑠璃碗 ササン朝ペルシア 六世紀 正倉院
白瑠璃碗 ササン朝ペルシア 六世紀 東京国立博物館(法隆寺献納宝物)
赤銅柄香炉 中国・唐または奈良時代 八世紀 正倉院
甘竹簫 奈良時代 八世紀

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください