三十年前そこは文化の最先端/イケる陶磁器!「建国300年 ヨーロッパの宝石箱リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展」

開催概要とHERMESの食器

仕事の帰りに渋谷に立ち寄って友人とさっと見てきた。午後6時まで開館してくださるのはありがたいわね! 来週26日まで。金曜・土曜は夜9時まで開館してます。正倉院展のぎゅわーとか

ポスターになったのは、フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラーの『中国の花瓶と、花とろうそく(磁器の花瓶の花、燭台、銀器)』。見てるだけでときめく可愛らしい作品ですよねー。ポストカードもこれが一番売れているようです。

その他、有田や景徳鎮の陶磁器が大胆にアレンジされた器などみてうっとりー。精緻なデザインの陶磁器にまたも胸がときめき、見終わったあとはHERMESのショップに寄りこのお皿ほしいんだよなーとねっとりとした視線で見つめてきたりしました、ねっとり。こういう感じのこっまかい柄のやつ。

あ、でも実用的な路線ではこのマグカップがかわいかった。いろいろ色柄あるので、クリスマスプレゼントとかにもいいと思います。ごっくごく紅茶や緑茶を飲むのにぴったり。
 

ブルーダイユールのチューリップが花開いた瞬間のようなかたちの小振りのデミタスカップもかわいかった。「なんだよおまえ北欧生まれじゃないのかよーかわいいなーもー」とスリスリしたくなる可愛らしさ。

あと、あほみたいな話なんですが、HERMESでは漆仕上げのティッシュカバーケースが売られていました。一箱60円足らずで売られているものを、10万円するHERMESのティッシュカバーケースで覆うというシュールさに、これが文化かと唸ったりした。

作品メモ

ゴリアテの首を持つダヴィデってリヒテンシュタイン公爵家の所蔵品だったのねー。

Bunkamuraのカフェーでお茶して「肖像画のゾフィーの習作超かわいい」「リヒテンシュタイン公フランツ一世、8歳の肖像画もかわいかった」「ハリウッドの子役かと思った」「でもフランツ一世の晩年の肖像画はアクの抜け落ちたラッセル・クロウみたいだった」「彼の人生に一体なにがあったのか」などとおしゃべりした。

その他印象的だったのは、ハインリヒ・ラインホルトの「オーストリア・アルプスを探索する画家たち」、フェルディナンド・ゲオルク・ヴァルトミュラーの「ダッハシュタイン山塊を望むアルタウスゼー湖の眺望」(そう、ヴァルトミュラーさんは、お花の絵のほうが人気あるけど風景画もお得意!)。木目紋カップと受け皿は18世紀のものとは思えない洗練された、且つトンチの効いたデザインでくすっと楽しめるし、フランツ・クサーヴァー・ペターの鳥と花の絵もよござんした。フェルディナンド・キュスのバラとアンズのある静物もトゥクトゥクーンと胸の音が高まる可愛らしさ。大変かわいらしい展示でございました。

Bunkamura

Bunkamura のそのカフェは、あー当時はこのインテリアがナウでヤングでシックでイケてたんだよなーとしみじみ感じられるもので、そらそうだ、1989年に東急が「Bunkamura」と名付けて文化の拠点施設として開業したんだものー、1989年に。三菱地所がロックフェラーセンタービルを買ったあの1989年に、日経平均株価が38,957円の史上最高値を記録したあの年に。

カフェに使われている椅子は不思議なデザインの円形の革張りのものです。まさかとは思いますが30年間使い続けているものでしょうか。この年代に作られたものはものの作りも丁寧で、素材に十分お金をかけることもできたので、それはそれはよい作りでしょうけれども。バブルの遺産みたいな椅子で味わい深かったです。

しかし、「失われた10年」とか嘆いていたら失われっぱなしで30年も経っちゃって、びっくりするようなスピードで国際社会で存在感を失って、アメリカには恫喝されっぱなしで、「年収300万時代? 森永卓郎は一体なにを言ってるんだ、がははは」とか言ってたらほんとにそんなことになっちゃった。なんだったんでしょう、この30年間は! この国の救世主はもうトヨタとユニクロとポケモンしかないのよ、きっと! うわーーーん! 

 

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