魂を使い果たして冬北斗/藤森かよこ「馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。」/馬鹿ブス貧乏版「君たちはどう生きるか」

 

本の紹介はAmazonから。
死ぬ瞬間に、あなたが自分の人生を
肯定できるかどうかが問題だ!

学校では絶対に教えてくれなかった!
元祖リバータリアンである
アイン・ランド研究の第一人者が放つ
本音の「女のサバイバル術」

ジェーン・スーさんも絶賛している「馬鹿ブス貧乏」本。某国際政治系ブログで紹介されてすぐ昨年末に購入していましたが、なかなか手が伸びず、4x歳の誕生日を目前に控えた土曜の夜に読み始めました。これが読み始めたらとまらない。決して情報強者とはいえない素朴な田舎の両親のもとで世間のなんたるかを知らないままぼんやりと成人したほどの馬鹿で、ヤングガール時代に付き合っていた男性に「私かわいい?」と質問すれば数秒時間をおいた上で真顔で「普通」と答えられたことのあるくらいにはブスで(大事なことなので二度言いますが、付き合っていた男性にです)、統計をとったらどちらかといえば貧乏チームに分類されるわたしのために書かれたような本です。

読んでいる途中、はっと時計を見るといい時間になっていましたが、「ここで読むのを止めてはならぬ!」と最後の章まで一気に読んでしまいました。私は本を読むとき、一冊ごとに気になっている文章をそのまま音声入力したものを自分にメールしてメモを取るようにしていますが、先日読んだ「変わる食卓・・・」の長文メモと同じくらい長い読書メモが手元に残りました。圧巻!

馬鹿でブスで貧乏なわたしのために書かれた自己啓発本です。いままで無理ゲーと思っていた各種自己啓発本とは違い、馬鹿でブスで貧乏なわたしでも実践できるようなメソッドだらけです。

ページを両開きにした状態で、必ずどこかに「馬鹿」「ブス」「貧乏」の単語が出てきます。「でもあなたにはこんな問題には無縁でいられます。だって馬鹿だから(ブスだから)(貧乏だから)、よかったですね!」という文章にも5ページに一回は目にすることになります。ですが、読むのを止められないくらい面白く、自分の年代にあわせてするべきこと・身につけるべき考えを教えてもらえ、読むべき本リストががんがん出来上がっていくほどためになり、さらにメンタルまで鍛えていただける稀有な本です。

本は、37歳まで編・中年期編・老年編の三章に分かれています。性とは、結婚とは、お金とは、フェミニズムとは、女性が生きていくということとはどういうことか解いてくれています。山内マリコさんの地方ガールの鬱屈を描いた「ここは退屈迎えに来て」をチラチラ思い出しながら読むとよけいに身につまされます。37歳までの章は、もうそのまま本から切り取って姪っ子に送り届けたくなったし、中年期のあがき方は今の私にそのままあてはめることができるものだし、人類がまだ誰も体験したことのない長い長い老年期の過ごし方についてもある程度の覚悟がつき、それを支える指針もうっすらと見えてきました。読み終わってからも興奮がなかなか覚めず、明け方まで「舌はがし、ヤブ気味の歯医者からも進められた。早く探して読まなくては」「紹介されてた横田光昭さんの本、あれまだ読んだことないやつだな」「まずすぐ読むべきは、『日本で老いて死ぬということ』だな」などと読むべき本をAmazonでチェックするのに忙しくなかなか寝付けられませんでした。

本の内容についてだらだら書き連ねるのはご本の売れ行きに対する営業妨害となってしまいそうなので、ここでは詳細を書くのは差し控えますが、この文章だけ引用させてください。

本当の意味での教養とは、多くの人々の努力で支えられ維持されている世界に対する愛と責任を感じることだ。教養とは、他者の声に対する想像力を持つことだ。他者に対して自分ができる事は惜しまず実行し、自分でできないことやしてはいけない事は抑制することだ。

あなたはただでさえ馬鹿だから、これ以上、本当の意味での教養に欠け、視野狭窄になり、浅ましくなる余地は無い。今を理解し、未来を考えるためにも、勉強は続けよう。

老人が人口の三分の一を占めるのに的確な老後モデルがない時代に船を漕ぎだすわたしたち世代へのバイブルになるかもしれません。藤森先生のすすめに従って、今年から下着は全部赤色のものに入れ替えます。損の貯金も積極的にしていきます。そして死ぬときに「いやーそれなりによくやりましたやん」と自分で自分を褒められるような、魂を使い果たすような生き方を探していきたいと思います。

ご興味ありましたらぜひ! 楽天で買うかたはこちらからどうぞ!

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