週末読んだ本

ヒグマ更新
墨攻
墨攻 酒見 賢一
映画「墨攻」の原作(の原作?)となった酒見賢一さんの「墨攻」。淡白に感じられる文体なのだけど、大地の砂埃や乾いた風、人馬のとよみが聞こえてきそうなリアルで生き生きとした中編小説でした。おぅー。挿絵は南伸坊さん、残酷なシーンもどこかほほえましく描いてくれている・の・だけど、そこで描かれている主人公の革離が体格のよい丸坊主のおっさんだったので、読み進めている間はアンディ・ラウからもりやまつるの「親父」のビジュアルに変化してしまったり。ちなみにこの本にはオーランド・ブルームは出てきませんでした。
魂萌え!〈上〉 魂萌え!〈下〉
魂萌え!〈上〉 〈下〉 桐野 夏生
OUT以来、桐野夏生さんの本を読んでいなかったけど、女の叫びが聞こえてくる身につまされるよい『小説』でした。
人生とは、小さな気障り・気づきの積み重ねの連続波状攻撃なんじゃよ。あうたびに私に不愉快なことしかいわないあの男子に読ませたいものです。
映画の配役と同じく、主人公を風吹ジュン・愛人役を三田佳子になぞらえて読んでいたからまだよかったのかもしれないが、実際にはこの登場人物たちは、私の母であり、姉であり、数十年後の私であり、商店街でよくすれ違うあのご婦人であったり、会社の先輩の奥方であるかもしれないわけだ。女の人生って!
栗林忠道 硫黄島からの手紙
栗林忠道 硫黄島からの手紙 栗林 忠道, 半藤 一利
栗林中将は信州松代の出身の方で、ご先祖様は真田家の郷士だったとのことです。信州松代といえば佐久間象山もご同郷になりますね。家長からの手紙というものは、かくも愛に満ちているのかと。たびたび実利的なことも書いてあって、こういう方は時代に恵まれていたら商いの道でも成功したんだと思います。お子さんからの手紙を添削した箇所など、ほほえましいところも。日本を守る要衝の地にしてはあまりに貧弱な島で、よくぞ戦い切ったと。映画を見に行かないと・・
欅しぐれ
欅しぐれ 山本 一力
山本一力さんのスタァシステム、今回も。
山本一力さんの小説のどこが好きかって、数字がすぱっと具体的なところですよ。武家でもなく、剣客でもなく、『商い』を主戦場とした江戸の町人の話ってのが、今の私の心情にぴたりときます。楽しかったわ、とにかく。
しかし、なんだか映画の原作ばかり読んじゃったなー。むーん。
山本一力さんの『あかね空』も映画になるそうですな。むーん。
深田久弥の日本百名山 9
深田久弥の日本百名山 9
三連休実家に帰ってました。両親にお土産に『深田久弥の日本の百名山』というDVDを買っていき、三人で仲良く見た。父は若い頃山で働いていたそうで、それこそ島崎三歩のような暮らしをしていた時期があったとのこと。まぁ本当かね、父ちゃん、初耳ぜよ、といった話をいくつか聞けた。親子で見ている間、若い頃二人がデート(?)した場所の話になって、それが富士山の次に低い山の上と聞き「すんげえ!」と。二人の馴れ初めをいまだに知らないんだけど、いつか話してくれる日はくるのでしょうか?
そんな母に秋川雅史のCDをねだられました。えぇ、こんなものでしたらお安い御用ですよ、奥様。紅白で歌う秋川雅史の姿を見て、母は母なりにノックアウトされたらしいです。
千の風になって
千の風になって 秋川雅史, 新井満, EDISON, 小沢不二夫

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