冷戦下ソヴィエトで起こった世界的未解決遭難怪死事件《ディアトロフ峠事件》
その衝撃の全貌と真相を描くノンフィクション
面白かった。面白かったといっては不謹慎だが本当に読み応えるのあるノンフィクションだった。構成も巧みだった。
1950年代の社会主義国家の女子大学生はウラル工科大学でバリバリと勉強をし将来に明るい希望を持っていて、その年代のアメリカや日本の女学生と比べるとなんと頼もしいことか。そういうところが社会主義国家というものなんだろうけれど。西側と東側はずいぶんと違っていたんだなと思わされるところがあり、その辺も面白かった。
謎が解き明かされる場面では、彼らがどうやって命を失っていくことになったのか非常に納得できるものになっている。こうやって勇気ある冒険者たちに時を超えて敬意を払えることができ(著者も読者も)、本当によかったと思う。早くほかの人にも読ませたい!