松本清張 点と線

点と線
点と線 松本清張
これが、あの「点と線」か! おぅ! 人生初松本清張!
途中で「○○使ったんじゃねぇの?」とか「犯人は○○なんだろうけど、それを教唆した真犯人は○○さんじゃないの?」とか先手先手を読んでしまう可愛げのないすれた平成推理小説読者。しかし、そんなに推理小説を読んでない人間が先手先手を読めるようになるほど、世の中の推理小説の書き手たちは、松本センセイが切り開いた道のうえを歩いてきているってことでもありますね。野茂が開いたメジャーの道を、今の若い野球選手たちが悠々と歩いていくのと同じように。
ワセダ三畳青春記
ワセダ三畳青春記 高野 秀行
 

世の中にはこんな青春もあるんだなーと感心しながら読みふける。
早稲田大学冒険部に所属していた筆者が、大学の近所の三畳間の部屋で11年暮らした青春を振り返ったエッセイ。自分にはまったく縁のなかった世界の話なので、夢中になって読みふける。
漫画「岳」で「僕たち、冒険部なんです」というセリフがあるのですが、どんな活動をするのかそのときはさっぱりわかりませんでした。しかし、この本を読んでその実情がだいぶわかりました。アマゾンにいったり、ゴールデントライアングルにいったり、ミャンマーに行ったり、危険そうだけどなんだか楽しそう。
三畳暮らしというのはだいたい想像がつきます。学生時代の恋人が、三畳間が続いた長屋のようなアパート(アパート?)に住んでいたので。彼はそこに三ヶ月ほど暮らして、その間バイク便の仕事でお金をためて、季節が変わる頃には私の住む街に引っ越してきたのです。濃い顔で、当時は誰にも理解されないくらいサッカーが好きで、情熱的でステキな男性でした、ちょっとバカだったけど。
本を読み終わる頃にはすっかり感情移入しており、今もあの管理人のおばちゃんはお元気なんだろうか、ケンゾウさんは今どこで暮らしているのだろうか、としんみりと心配してしまいました。
こんな青春もあるんだー。
なんかもったいないことをしたなー。
男らしくすっきりした無駄のない文章で、これからちょっと続けて読んでみようかなー。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください