高灯籠民藝館のエディー・ダン/日本民藝館「アイヌの美しき手仕事」

タイミング逃しそうだったので、シュタッと手早く行ってみた。駒場東大前の日本民藝館は今回初めて。ゴールデンカムイのアニメ第三期が始まったこともあり(ほんとかな?)、平日夕方なのに館内はそこそこに賑わっていた。

受付で入館料を払うとビニールのシューズカバーを渡され、それを履いて見学。建物が弱るからということでしょうか、木造の美しい床の上をシャカシャカシャカシャカと常に誰かが歩く音が聞こえます。階段の上り下りはちょっと注意が必要です。年配の方は恐怖でしかないんじゃなかろうか。そんなに建物が大事なら鍵かけてそっとしておいて展示なんかしなきゃいいのに。柳宗悦ってそういう人でしたっけ? いい道具は大事に丁寧に、でも使い倒せってひとなんじゃなかったの?

 

アイヌのひとびとの美しい手仕事であるアットゥシなどを拝見。懇切丁寧な解説が展示物の直ぐそばに添えられている展覧会に慣れた人間にとっては、大変に簡素な展示。「北海道アイヌ 苧麻アットゥシ 云々・・・」と四行ほど書いてあるのみ。
素材は何で、どういう人がどんな時に着て、この模様はどういう意味で、ここに切伏せしている華やかな柄は京都から流れてきた古着を活用したもので・・・などという説明が描かれたパネルは皆無ーゴールデン皆無ー。わーきれいな手仕事ーすてきーって満足して帰ればいいのかな、そんな突き放した展示なのか、あるいは余白をあえて多く残し(このあえては、手抜きをごまかすための副詞です)見るものの想像の翼を広げて楽しむ展示なのかな? 現代美術かっつーの!! 展示の放棄?
あるいは、芹沢銈介の「俺のコレクション見てくれよ、すげぇだろう?」展示なの? 日高牧場のエディー・ダンかー!!! フチの妹の珍しい花嫁衣装をうまく丸め込んで騙し盗り、たまに裸の上にきてるんらららーと踊るエディ・ダンかっつーのーーーー!! 
(エディー・ダン ゴールデンカムイ 第7巻登場のアメリカ人牧場主)

 

などとモヤモヤしていたら、一緒に行った友人が「トイレの前のスペースに展示パネルがあるよー」と声かけてくれたのでそちらへ移動。トイレの、前の、細い廊下の、壁にアイヌのひとたちが着ていた服の仕立て方や素材のパネルがありました。トイレの、前の、細い、薄暗い廊下の壁に。「アットゥシは樹皮から作るとは聞いておりましたが、ふむふむなるほど、このようなものを」などとパネルを熱心に読んでいる私の背後をかすめるようにして男性がトイレに入っていくのがわかりました。えぇ狭い廊下のことですので。そして扉の内側から盛大にビビディ・バビディ・ブーとなさったおならの音声が耳に届きました。あははは、もう勘弁してよーーー!!!

展示物は素晴らしかったけど、俺の家にきたなら俺の流儀に従え感が随所にみなぎっていて疲れた。展示物は本当に素晴らしかったけど、もうちょっと掘り下げてほしかった。アイヌの風俗が、当時の本州との流通がどのように絡んでいたのかとか、切伏せのアイデアとか、各地の文様の違いとか、木綿はどうやって入手したのか、あの染はどうやったのか。日本民藝館に求めるものじゃなかったということなのかもしれませんね。まぁそういうことなんでしょうねぇ。知りたかったら染織の歴史から調べていくといいんでしょうね、そしてそれは自分でやるべきだということなのでしょう。ありがとう、民藝館、気づきを得たよ!!! 

 

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