地下鉄で

昨夜。
ウカさんを引き取りに行った帰り、地下鉄のベンチで座っていると、小学生の女の子がやってきて「ねこでしょう?」とキャリーバッグの中を覗き込む。「名前はなんていうの?」「ウカちゃん」「ウカちゃんっていうのー」と暗いキャリーバッグの中、ひときわ白さが目立つウカさんの顎のあたりを一心に見て「お鼻ピンクねー」「目がおっきいねぇ」と楽しんでいる様子。そのうち彼女の母親がやってきて、「あら、ねこですか」と話が始まる。麻布十番までご一緒することになり、電車がやってきてからもしばらくおしゃべりをする。どこからみても(失礼だが)、地方から連休を使ってやってきた普通のお母さんとお嬢さん、しかし話をしてみるとくらくらするほどの暮らしをしていることを知ることになる。
・彼女は専門職の仕事で、月に10日働いて残り20日は旅行している
・彼女の専門職の技能の高さは門外漢の私でも理解できるほど
・彼女の技能を求めて、各地から人がやってくる
・(あのぅ、お嬢さんの学校は?)
・「このねこ、なんていうの?」「ノルウェージャンっていうのよ」「ノルウェーって国の名前だったっけ?」「そうよ、あんたこの前行ってきたばかりじゃない」
・「もうね、稼いだお金は全部使っちゃえって感じで旅行に行っちゃうんですよ」
この生き方があったかー!!!!
麻布十番について、わかりにくい出口まで行くというのでご案内して最後に電話番号を(なぜか)交換して別れた。その足で、カフェロリータに行って「ちょっと聞いてよー!」と店主に話し込み、ついでに彼の暮らしぶりも聞くことになり、一人ぽわっとビールを飲んで帰りましたとさ。
久しぶりの我が家のウカさんは3分で「あぁ、確かこの家には覚えがありますよ、げっしっし、ほら、このカーテンは噛むために存在するのですよね、げっしっし、あぁ、あんたしばらくさぼっていたら体が丸くなったんじゃぁありませんか、ビリーさんですよ、ビリーさん、ベンザニー!」とすぐにいつもの調子に戻りましたとさ。愛の再構築はー? ウカー!
アミターバ―無量光明
アミターバ―無量光明 玄侑 宗久
現代の『チベット 死者の書』。これを読んで思いましたが、「これなら死ねる」と。大きな活字版で出ていたら、両親に買ってあげたい。

4 COMMENTS

スガ

そうなのよ、その生き方があったのよ!
やろうと思えばSっちゃんも職種柄できそうよ!

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