「かつては、ヒトにとって、チンパンジーより近縁な生物が25種もいたのである」
その25種のうち、生き残った我ら「ホモ・サピエンス」。その25種がどうやって生まれ、何百万年もの間過酷な環境でそれぞれが生き延び、しかし最終的にはホモサピエンスに絶滅・・・というか、結果的には駆逐させられたその顛末を早足で紹介してくれる本書。
何百万年も石器だけで生きてきた生き物が、文明というものを手にしてからわずか数千年で、ここまできちゃったわけですよ。その「ここまできちゃった時代」に生まれ併せた不思議よ。それまでの何百万年が幻というわけでもないのに、確実に存在していたのに、人類が記憶できているのはここ数千年の歴史のみ。そしてわたしたちは、24種の近縁なる生物たちを駆逐したあとに生きているわけです、手塚治虫の「火の鳥」未来編のナメクジはわたしたちなのですよ、びっくりしちゃうなぁ。
サピエンス全史に至る長い道/更科功「絶滅の人類史」
https://chidori.kimonomichi.com/?p=18900
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