後日譚閉じて夕の日雀かな/池澤夏樹「静かな大地」

静かな大地 (朝日文庫 い 38-5)

ご紹介テキストはamazonから。
短い繁栄の後で没落した先祖たちのことを小説にするのは、彼らの物語を聞いて育ったぼくの夢だった–明治初年、淡路島から北海道の静内に入植した宗形三郎と四郎。牧場を開いた宗形兄弟と、アイヌの人々の努力と敗退をえがく壮大な叙事詩。著者自身の先祖の物語であり、同時に日本の近代が捨てた価値観を複眼でみつめる、構想10年の歴史小説。第3回親鸞賞受賞作。〔解説・高橋源一郎〕

母親の葬儀のあたりからちらちらとゆっくり読んだ。ご一新の騒動で淡路島から静内へ入植することになったちょっと前の時代のご先祖さまの話。札幌で農業を学び希望を胸に静内に帰り、開拓を進めた元侍の子の兄弟。アイヌの人々と一緒に牧場を経営し、すべてがうまいいくように思えていたのだが・・・・、うわーこの先絶対不幸なことしか起きないんでしょうという予感とともに、ちらちらと読んだ。わたしが読んだのはこちらの版。

いま、週刊ヤングジャンプで連載されている「超・闇鍋ウェスタン、北の大地を制するのは誰だ! 徒歩と馬で行く問答無用・開拓途上の北海道ロードムービー! アイヌガールとのラブロマンスもあるよ☆」な「ゴールデンカムイ」という漫画が大変たのしゅうてたのしゅうて仕方ないんですが、そんなこともあってKindleで買うてみたのですよ、で、読んでみたのですよ。

これって、ゴールデンカムイの後日譚? それともタネ本? 前日譚? 北海道に入った和人のみんながみんな、杉元佐一や白石由竹みたいなさばけた感覚じゃなかったよねー、そりゃそうだよねぇ。物語はご一新から日露戦争が終わってしばらく経ったあたりまで。砂金掘りの話もでてくるでよ。

あとがきにも書いてありましたが、池澤夏樹はこの本からタイトルを拝借したようです。こちらも読んでおくとよいのかもしれません。

幕末の蝦夷地を十数年間も探検・調査し、アイヌ民族の風俗・文化を記録する中で和人による虐待を告発した松浦武四郎。大地に根を張り、固有の習俗を育んできたアイヌ民衆の輝きとは何か。なぜ彼らは抑圧の下で呻吟することを強いられているのか。記録者としてアイヌ民族の受難に向き合うなかで、自己変革を遂げていく松浦を描き出す入魂の評伝。

木の内皮の繊維で織り上げられたというアットゥシ、一度は羽織ってみたいものですのよー。

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