山本一力『背負い富士』

背負い富士
背負い富士  山本 一力。
昭和に生まれた人間なら「旅ゆけば~」という浪曲の節や清水の次郎長・森の石松という名前をご存知だと思いますが、それでは彼らがいつの時代にどのように生きたのか、あまり気にも留めたことがない人が殆どだと思います。えぇ、私も知りませんでした。背負い富士は、清水の次郎長の人生を描いた物語。生き残った人物を語り部にして物語を進められてゆく。で、わたくし、清水の次郎長ってのは元禄とか、元禄でなくても寛政とか、でっぷり江戸時代の人物かと思っていたのですが、彼が生まれたのは1820年の文政3年、お江戸の時代もそろそろ金属疲労がはじまりだした頃の方、へぇぇ。浪曲では「旅ゆけば」のわずか一節しかしりませんが、その下に隠されている筋がいろいろわかるってのがこの時代小説。へぇぇ。そして今、Wikipediaをたどっていったら、あぁーんっ、去年の今頃NHKでやってた時代劇は、背負い富士が原作だったのかー、くはーん!と知り地団駄踏んでいるところ。お茶目で間抜けで愛すべき人物・森の石松役が山本太郎かー。妥当なキャストだわー。

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