今週読んだ本/ホロコースト・ あのころはフリードリヒがいた・39歳からのシン・教養 他

ホロコースト―ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌 (中公新書)

ホロコースト―ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌 (中公新書)

メモを取りながら読んだ。強制収容所と絶滅収容所の違いを知らぬまま、ラインハルト作戦というものがどういうものか知らずに生きてきたことを恥じた。この生々しい読後感のまま次の本へ。

あのころはフリードリヒがいた

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫)

ヒトラー政権下のドイツ,人々は徐々に反ユダヤの嵐にまきこまれていった,子どもたちさえも…その時代に生き,そして死んでいったユダヤ少年フリードリヒの悲劇の日々を克明に描く.

1925年に同じアパートの2階と3階で一週間の違いで生まれたドイツ人とユダヤ人の少年たちの物語。その直前に読んだ「ホロコースト」と時系列にリンクしすぎていて手にとるように当時の市井の様子がわかる。こんなひどい話ってほんとうにないよ。ほんとうにこんなひどい悲しい話、読んだことがない。

エスケープ ナチスからの逃亡

エスケープ ナチスからの逃亡(字幕版)

1942年冬、ナチス政権下のノルウェー、ある港町で暮らすユダヤ人一家がホロコーストの悲劇に巻き込まれ、家族のうち14歳の少女だけが生き延びる。髪を切り、両親はイギリス軍の空襲で死んだと偽り、ある農家に身を潜めることになるが・・・

ノルウェーのまちなかで「つまづきの石」を見たときのことを思い出した。あれはこのようなひとたちのひとりひとりの悲劇だったのだと今更ながらゾッとした。

ゾッとしたのですが、映画としては正直いまひとつで。この世界に不幸な人は家族を奪われた主人公ばかりじゃなく、戦争に関係なく生きづらいひともいる、それらを一斉に表現したからか負の連鎖についていけない人もいたのだろうなと思う。またノルウェー映画なのに、全員が英語で話しているところも惜しすぎる。ドイツ人将校とノルウェー人農夫が英語で充実したコミュニケーションをとれるなんてことは実際はなかったのでは。また「エスケープ ナチスからの逃亡」という邦題がだっさい。原題は「The Birdcatcher」です、もうもう邦題がだっさい。主人公の女性のレヴェナント並の過酷なロケが、少しでも、なんらかのかたちででも、彼女のキャリアに良きものとして報われますようにと願ってやまないです。

成毛眞「39歳からのシン・教養」

39歳からのシン教養

「2040年の未来予測」が面白かったのでこちらも読んでみた。読んでみたら、39歳からのシン・教養というよりは、60歳からのインターネット講座という感じだった。

序盤に「この本は日本の知識層2400万人に向けて書いてある」とドドーンとドヤァと書いてある。その知識層の定義は、偏差値で上から20%の人であり、「一年間に一冊以上本を読んでいる25歳以上の日本人は3600万人」という総務省の統計を引きつつ「その中でもこの本を手に取るくらいだからもっと本を読んでいるでしょう、そんなあなたに送ってます(うろ覚え)」と読者のプライド(?)をくすぐってくる。一年に一冊以上本を読んでいる人がそれしかいないということにまず驚いたのですが、本を読み進めていくとそれとは違った驚きが! 

「気になったことはウィキペディアでどんどんしらべよう!」「ウィキで青い文字が出ていたらリンクになっているので、気になるところはどんどん別タブで開いてよんでいこう!」「その筋の専門家がつくる動画をみて楽しく学ぼう!」
39歳の人がこの本読んだらがっかりしないか?!

著者が「ウィキペディア」のことを「ウィキ」と表現していたのもモキモキするし、「『天然痘』のウィキでは」の文章には、文筆家としてそれはどうなのかと頭を抱えた。「社会問題や貧困には僕はまったく興味はない、だってどちらかというと僕は老後の心配はないし社会に寄付する方だしね」という下りには、Twitter名言集を成毛さんに伝えたい。

2040で気を良くしてつい筆が滑ったのか、編集者が「ウィキはWikipediaに全部書き直しますからね!」といえなかったのか・・・まぁ怖くていえなかったんだろうね、がんばって、編集者!

その他、乙嫁語りときのう何食べたの最新刊を。乙嫁語りの凄みよ、あの美々しい草原の婚礼よ。感服しました。

乙嫁語り 14巻 (青騎士コミックス) きのう何食べた?(20) (モーニングコミックス)

 

ところで、効くか効かないかわからないお注射を毎週打っている宅の猫ちゃんですが、ご飯をこちらのお高い破産フードに変えてから毛艶がすばらしいことに・・・。遠目から見るとロシアンセーブルみたいだし、触ってみてもロシアンセーブルみたいです。ご飯大事!!

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