今週の本と芦雪と正倉院/近鉄があってよかった三都かな

概況

11/6-11/13 大阪・奈良・京都の三都物語を日帰りでしてきた。長沢芦雪、正倉院展(と興福寺の国宝館)、東寺のライトアップです。その日は2万歩歩きました。いやー長沢芦雪、会期の確認をしておくべきでした。反省。

「北海の狩猟者 羆撃ちと山釣りに明け暮れたある開拓者の記録」

ヤマケイ文庫 北海の狩猟者 羆撃ちと山釣りに明け暮れたある開拓者の記録

明治生まれの著者の西村武重は、狩猟と山歩きと地質調査に人生を費やしたような人ではあるのですが、養老牛温泉を開き民生委員もつとめ勲章をもらうような立派な方。巨大イトウの伝説にアイヌの金塊争奪戦の話もあり、また交通の要衝が切り開かれどのように活動範囲が広がっていくのかを読み進めながら追うことができる北海道開拓史でもあります。面白かった。ヤマケイ文庫。

長沢芦雪展

和歌山の無量寺の紙本墨画「虎図」が見られると思いウキウキして行った。前脚がぶっといちょっとビッグサイズの猫ちゃんの襖画。
音声ガイドは町田啓太さん、やだこのひと音声ガイドがうまい! 軽妙にしてイケボ、息遣いさえも計算されつくされているっ! 
さて町田さんの声とともにひとつひとつ丁寧に丁寧に見ていく。高まる「虎図」への期待、ガオーガオー、どこで出てくるのかな、どこかな、どこかしら、あらほんとまじでどこ? そして最後の「牛図」に出会ってしまった。あれ? あれ? 虎図は・・・虎図は・・・・?

もっと知りたい長沢蘆雪 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

展示会場で手渡された展示目録をよくよく読んでみたら、虎図は前期での公開、行った日はすでに後期。がおーー!! 虎図ぅぅぅーーーー!!!

まぁ他の作品も、たくさん見られましたし、円山応挙よりもかわいらしいもふもふな犬もたくさん見られましたし、中之島美術館にくることもできましたし、えぇ、えぇ。。。。大阪のあとは九州に巡回するそうです。九州に行くか、やはり和歌山の無量寺まで行くべきなのか。交通費も含めよくよく計画しておきたいと思います。

ところでこの美術館、日本画専用の展示室だったのかもしれないですが、天井が低くてちょっと驚いた。場所の仕切りが紙のロールスクリーンだったりして、鳴り物入りの中之島の再開発でこんなことがしたかったのかなと開発経緯をウィキペディアで調べてみた。うーーん。芸術や学問に憎しみがあるようなひとたちが首長になると大変だな。

正倉院展

近鉄線でしゅっと移動して奈良で正倉院展を。あのぅ、大阪から奈良までの道があんなにまっすぐってことはあっていいんですか? 随分合理的な用地買収したんじゃないですか。さすが近鉄、金がある(開業当時)。

今回の目玉の展示品は以下の通り。
・九条刺納樹皮色袈裟
・犀角杯
・鳥草夾纈屛風
・正倉院古文書正集 第七巻
・赤地鴛鴦唐草文錦大幡脚端飾
・青斑石鼈合子
・斑犀把漆鞘黄金葛形珠玉荘刀子
・碧地金銀絵箱
・漆六角厨子残欠
・刻彫梧桐金銀絵花形合子
・紫檀小架
・平螺鈿背円鏡
・楓蘇芳染螺鈿槽琵琶

いやいや正倉院展も何度か目ですが、ああ、うん、再会できた宝物もたくさんあり、会場では「あーーこれも見たなぁ」「見たことがあってもまた見に来るのが正倉院展ってものよ」と話し合ってる妙齢の御婦人などもいて、うんうん、見たことがあってもまた会いに行くべき展示だなって。うん。

興福寺の国宝館は阿修羅像と対峙する場所。いつみても涼やかな青年だ。

東寺のライトアップ

その後また近鉄でシュッと移動して東寺駅で下車。拝観料は千円で、お寺側の「小銭用意するのも最後の集計も面倒だからしばらく千円でいいや」って感じの設定が小気味よい。紅葉は全然まだまだ。この春にも行ったけど、春のライトアップとの違いが正直わからない。照明の色が白すぎるのではないでしょうか、どうでしょうか。

拝観後、京都駅までゆるゆる歩いて移動して、帰りの新幹線では岐阜を過ぎたあたりでカクンと爆睡。東京駅で車掌さんに起こされる始末。恥ずかしい。天気もよくて楽しかったですわよ、ひとり三都物語(近鉄編)。

ビクセンの単眼鏡

ビクセン(Vixen) 単眼鏡 マルチモノキュラーシリーズ マルチモノキュラー4×12 ブラック 日本製 美術鑑賞 1105-06

美術館に行く機会が増えたのでようやく単眼鏡を買いました。これがあると楽しい。肉眼でも全然しっかり見えているんだけど、細部が見えるのがこんなに楽しいとは。芦雪展では若冲の作品も展示されていて、息を呑む微細な表現におどろきましたわ。一生使いたいものです。

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