寝起き


しかし指輪物語、本当によく眠れる・・・なんで?
悩む力 (集英社新書 444C)
悩む力 (集英社新書 444C) 姜尚中
姜先生の声で読んでみた。いい声だよね、あの人。
夏目漱石とマックス・ウェーバーが描いた近代自我の勃興というものを、この混迷の時代に改めて問おうとおはなし。青春のきらめきをまだ体の中に持っている世代向けかしら。
姜尚中さんには、NHKの「わたしが子どもだった頃」というドキュメントでちょっと泣かされた(野村克也さんの回でも泣いたけど)(とにかく泣けるんだよ、あたしゃああいうので)。この番組は、著名人の子ども時代を、彼らが育った土地でロケしたと思われる再現ドラマを元に振り返るというもの。
この回は、自我の目覚めや初恋、韓国式の暮らしを守る両親との貧しい暮らし・・・本編もそれなりに見ていて切なかったけれど、番組の最後、現代に戻ってからの話がとても印象ぶかかった。
淡く美しい思い出となった中学校時代の初恋の相手の消息が、番組の最後でスタッフにより知らされる。彼女は18歳のときに、交通事故で亡くなってしまっていたのだ。そのときの姜先生の一瞬凍りついて、その直後にいつもの笑顔に戻らざるを得なかったあの表情。
彼は視線をちょっとそらしながら、「永遠に、手の届かない人になってしまったわけですね」と結ぶんだけど、こういう感性の持ち主だから、「悩む力」のような本が書けるのかもしれないなと、今、気づきました。

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