旅をする女の本を比べ読む

 
「陛下がお持ちでないもの、名刺・手帳・財布」というわけで、陛下がお召になっていたスーツは、あるべきところにあるポケットがないんですぞえー、宮殿の照明は大変暗いので夜にお召しになる夜会服は黒ではなくミッドナイトブルーという色なんですぞえー、お仕立て担当は三越の仕事、スーツにベンツカットを入れるようになったのはアメリカ訪問から、このとき赤いネクタイを選ばれたのは皇后陛下、ミッテラン大統領は晩餐会の前の記念撮影の時手がガタガタ震えてらしたんどすえー。うわー、昭和天皇のお召し物だけにとどまらず、英国紳士の洋服ってこうなってるのかーと勉強できること請け合い! たいそう楽しいご本でした。靴好き、洋服好きな殿方はぜひー、現代被服史をちらっと垣間見ることができます。

ちきりん「世界を歩いて考えてよう」

ヤマザキマリ「望遠ニッポン見聞録」
ちきりんさんとヤマザキマリさんって世代的にそんなに違わないと思うのですが、そんな女性二人が世界を回ってみて思ったことをとりまとめたごほん。ちきりんさんのご本からは旅行好きならではの余裕が感じられますが、ヤマザキマリさんが赤貧時代、ラマの人に「悪かった」と詫びられる話など、ちょっと普通の日本人が経験できる範疇の出来事ではなかったと思います。あわわ。ちきりんさんのごほん、最後に「そんじゃーね!」って書いてなかったら、読後がとても爽やかだったと思うのに。成田空港について清潔でピカピカな水洗トイレでざーっと水を流して「日本って素晴らしい!恵まれている!!!」と思わない人はいないよねぇ。

そうだよなー、きっと、これから一番イケてる職業の一つになるんだろうなー。
まぁなんといっても日本人のトイレとトイレタリーにかける情熱はちょっとおかしいくらいだと思う。とてもありがたいことなんだけど。ヤマザキさんが「テルマエ・ロマエ」という作品を描いた理由もわからんでもないよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください