銀行の警備なんてぇそんなもん/映画「黄金を抱いて翔べ」

 
安室奈美恵の「Damage」がエンドロールでかかりはじめた瞬間、「高村薫の原作を読んでから早十数年、私、ラストシーンをずっと勘違いしたままこの年まで生きてきちまったのかちら、どうかちら!」とちょっとポカンとしちゃいましたよ。館内は満席(ほんとうに!)で、エンドロールが始まったところで席を立つ人もあまりおらず、作品の情報量に打ちのめされてみんなぐったりしているように見えました。
「あぁっ、そのセリフの伏線となるシーンが端折られているのは時間の都合ですよねっ!致し方ありませんよねっ!」と何回か身悶えたりしましたが、原作に大変忠実な作品でありました。あの小説は、そんなにページ数があるわけじゃないのだけど、もうもうなんとも盛りだくさんの内容で、その盛りだくさんな内容をほぼほぼ映像に移し替えてあり、それはそれは大変よくできました。よくできていたけど、映画にするなら脚本部分でもっと大鉈ふるってもいいんじゃないかしらー、と思わないわけでもないけど。
桐谷健太がいいー。サラリーマン階級の中では高給取りの階層にいると思われる金融SEやってる桐谷健太の、ぺらっぺらのうっすいうっすいサラリーマンの演技が素晴らしくよいー。この人、アウトレイジ2にも出ているようですが、そっちも見てみたいですねぇー。
草々にいさんこと青木崇高さんは、今回は巨漢のちんぴら役で登場してます。いろいろな役がやれてよいことでげす。
女優さん方面では、ちらっと出ていた水崎綾女ちゃんにきゅんとなったよ。がんばれ!綾女ちゃん!!! 
原作ファンも、原作を知らない人も、「わー、日本の映画もやるもんだねぇ」と劇場で感心してくださいー。高村薫さんはご覧になったのかしら、どうかしらー。

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