本の百名山 池澤夏樹の世界文学リミックス


池澤夏樹が河出書房新社と新しい世界文学全集を再編するというニュースを聞いたのは何年も前のことだと思うが、いつまとまるかもわからん話だったので記憶の引き出しに入れっぱなしにしておいた。そしたら昨夜、本屋で「池澤夏樹の世界文学リミックス」の背表紙が目に入り、あれってまとまってたのかーとおのろきつつ購入。池澤夏樹がまとめた「世界文学集」の読みどころ・おすすめなところをまとめたエッセイで、今の時代に何読んだらいいのかわからない人は、これを読んで世界の文学地図をたどっていけばよいという寸法ですぜ、百名山片手に山を登り続けるようにね。
まえがきの最後がよかったです。
大事なのはインターネットとブログとSNSの時代にあっても文学は機能しているということだ。社会に大きな変動があった時、その中に生きる個人の運命が大きく変わる時、それを記録して長い目で見た意味づけを行うのはやはり文学である。ニ〇一一年三月の今、北アフリカのムスリム諸国を揺り動かす市民革命の真の意義を知るために読むべきは「ニューヨーク・タイムズ」でも『コーラン』でもなく、この全集にぼくが入れたイサベル・アジェンデの『精霊たちの家』なのだ。そう主張するのが文学者の立場である。
全然関係ないですが、正倉院展の展示は素晴らしかったのですが、ミュージアムショップの限定商品たちが垢抜けてなくてちょっと残念・・・ていうか、あの瑠璃の坏はレプリカが作れるんじゃァなくって? どうして一個も出てないの?  聞けば上野でやってる『出雲展』の限定グッズは「えっ、鹿って奈良の専売特許じゃなかったっけ?」と突っ込みたくなるくらい鹿満載だそうですが、こんなにかわいいのよ!!
http://izumo2012.jp/goods.html
ぐーぬーぬー、正倉院展はグッズの企画をちょっと考えてみたらいかがじゃろうか、と思ってたら、川崎のガラス工芸の会社さんが瑠璃杯のレプリカを作ったそうな。
http://verrier.ocnk.net/product/2?
157,500円、うん、すっごい完成度だと思います、うん、じゅうごまんえん・・・。
うん、じゅうごまんえん・・・なんだけど。。。。

4 COMMENTS

ふなき

とうとう出たんだ!!もう止めちゃったのかと思ってました。
池澤さんの読書傾向というか、文学への評価・評論の姿勢的なものは、かなり以前のエッセイ集「読書癖」にも現れてますよね。20年ほど前は大好きで、「花を運ぶ妹」あたりまでは全部読んでみたりしたのですが、その後、どうしても何かモヤモヤするようになって近頃はとんとご無沙汰でした。
それでも「タマリンドの木」「マリコ/マリキータ」「マシアス・ギリの失脚」などは、今でも時々無性に読み返したくなります(いえ、持ってるんだから読み返せば良いのだけど、私の心境や環境の変化もあり、当時のワクワク感が再現できるか不安ということもあり・・・むにょむにょ・・・)
「ギリシアの誘惑」とか、旅本としても秀逸なんだけど。
おそらく、沖縄に移住された後あたりから、ちょっとスンナリ読みづらくなったようにも思います。
でも、でも、また読んでみようかな・・・

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スガ

そうだよそうだよ、許してあげなよー(?!)
ハックルベリー・フィンの冒険とか読んだことないので、これから読んでみます。楽しみですー。

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シモムラ

池澤夏樹の世界文学全集、気になっていたものの、ずっと購入を見送ってました。
この全集にしか入っていない新訳の作品もあるので、それだけでも文庫にしてほしい…。
まずは、池澤夏樹の世界文学リミックスを読んでみます。

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