なまはげが『脱税してる子はいねが』と/一泊二日男鹿半島ツアー

雪深いところに行きたいなーと考えたところ、お友達が「JALのマイルが失効しちゃうんだけど、どこか行かない?」と声かけてくれて、私も年内で失効するマイルが少々あるのでそろそろ使わないといけなくて「温泉・日本酒・なまはげの旅はいかがかの」と答え、それはナイス提案、行きましょう、行きましょうと特典航空券予約をした。

出発日は2月8日の始発便。天候が荒れやすい季節なので、twitterでNHK秋田さんをフォローして現地情報確認しつつその日に備える。秋田の飛行機が飛ぶか飛ばないかもちょっとわからなかったでのお宿は当日取りましょう、と打ち合わせていた、らば、にゃんと!、出発の土曜日は東京に大雪警報が! 金曜夜にはJALのサイトでは「明日は全便欠航します」というアナウンスが出たりした。あらら。しかし土曜の朝4時には「始発便は動く・か・も」表示に変更になり、ひとまず羽田空港に集合。私たちの便は無事離陸し、特に大きな揺れもなく無事に秋田に到着。

着陸後、JALのサイトをチェックしたら、この便以降は欠航が決まり、あらら、間一髪だったわねーと話しながら、秋田駅までバスで移動。「男鹿半島の神社でなまはげ紫灯祭りというのが2月8日にある」という情報だけを頼りにやってきたようなもので、何の準備もしておらず(宿の予約もしてなくて!)、駅前のスターバックスでホテルの予約と旅程の確認をする。


黒い猫ちゃんが店頭前をうろうろしていて「ようこそ秋田へ!」と歓迎してくれてた。あらあらなんで秋田に猫? はっ、佐竹・ミールちゃんメロメロ・知事の策略かっ! 


JR男鹿線の時間までしばらくあったでの千秋公園と秋田県立美術館を見学。どちらも歩いて行ける距離です。千秋公園では佐竹史料館で数々の蒔絵にはふーんと溜息をつき、秋田県立美術館では藤田嗣治の超大作「秋田の行事」を鑑賞。昭和12年当時の秋田の風俗を縦3.65m、横20.5mに描いた大きな作品です。豪商平野政吉の米倉に大キャンバスを持ち込み、藤田嗣治が冬の間にこもって描いたという大作です。秋田の豊かな四季が壁面いっぱいに描かれており、圧倒されました。これはっ、おすすめっ! 

秋田県立美術館は昨秋リニューアルオープンしたばかりで安藤忠雄の設計だそうです、にゃるほどー、印象的な忠雄っぽい螺旋階段だわ。しかも、当日美術館は無料開放されており、すみませんすみません、てへへ、よいところですな、秋田というところは。


併設してる「au」という建物の前でまた猫ちゃんがっ! こういうので長毛種バージョン作ると人気が出ると思う(私に)。


JR秋田駅、シャレオツ!!!


男鹿線のホームにて。大館では当日「アメッコ祭り」というものが開催されていたらしいです。冬の秋田はお祭り祭りですなー。

男鹿駅到着。


車両にはなまはげイラストが。妖怪の土地・境港でもこういうの見た気がする。

その後、温泉旅館にチェックイン。早めの夕食を済ませ、なまはげ祭り会場の真山神社までバスで移動。日中は雪が降ってなかったけれど、この時間になるとざくざく降り始め、なまはげが出るにはうってつけの夜となってきました。

真山神社の手前には、なまはげ総合情報施設「なまはげ館」という建物があり、「おぉーHA・KO・MO・NO行政ー」と感嘆しながら館内でしばらく休憩。市内33地区60体のなまはげが一同に会したなまはげホールでなまはげまみれに! なまはげのお面は集落ごとにデザインのメソッドが異なっており、ポリネシアの部族が呪術に使うような原始的な造作の恐ろしげなもの、お面から飛び出したように金色の目をつけたもの、幼稚園児の紙粘土細工のような陽気なお面、みなさんがよくご存知の角が生え顔の筋肉が盛り上がったいわゆる『鬼』のお面など様々です。初期のなまはげには角がなく、赤い顔・大きな体・ボロボロの服(を表現した蓑など)などだけ見れば、日本海超えてやってきた海外からの漂流者です。鬼と呼ばれ怖がられ、寒かったろうね、怖かったろうね、おなか空いただろうね。なまはげに扮することができるのは独身男性のみ、青年たちがより合って各自の腕を競うようにして手作りでお面を作るそうです。長い長い白くて冷たい冬の、春を待つ時間をなんとか持ちこたえるために始まった祭りなのでしょうか。

などと感慨にふけっておりましたが、時間になったので真山神社へ移動し、なまはげ柴灯祭りを鑑賞。山を背にした地形をよく利用したよき祭り。閑散としていたらどうしようかと思ったのだけど、大変な人出で、地元ナンバーの若い家族連れが多かったし、びっくりするほど外国の大学生が多かった、アジアの人でなくそれ以外の地域の。


「これから君らはなまはげになるんやでぇ、なまはげというガラスの仮面をかぶるんやでぇ」という入魂の儀。


神楽殿で、大晦日にやってくるなまはげ再現。なまはげ台帳をもとに『ここの家の子はいたずらして先生に怒られたって聞いたんだけど』などとその家の主人とやりとりし、その後立ち上がって『悪い子はいねがぁ!!! 怠け者はいねがぁぁ!!!』と叫び始め、子どもたちはギャン泣きするわけですな。テレビのニュースでは、ギャン泣きちびっこのシーンしか報道されてなかったので知らなかったのですが、実際はこの前振りがあってのことだったのねー。


その後、なまはげ太鼓の勇壮な演奏などを。動きがとってもビジュアル系バンドのそれのようで、そこが大変気になりました。地獄のミサワのルシフェル君みたいな仕草が頻出するのです。えー、なまはげってこんな感性の持ち主なんだ・・・。秋田の人ってこういう超神ネイガーみたいな様式美が好きなのかなー。


猫と一緒で荒ぶる神は写真が撮りにくい。


さきほどのヤングなまはげ達が松明をかざしながら山から降りてきて『悪り子はいねが』と祭り会場に乱入。


15匹のなまはげが勢揃い。なまはげって「匹」で数えるようです。


祭り会場を練り歩くなまはげ達、やーん、かっこいいー! 
ちびっこたち、わかっててもギャン泣き。いい風景です!

なまはげ記念撮影会という愉快なイベントが残されていたのに、寒さに耐えかねなまはげ館まで戻り、館内の暖房にようやく生きかえった心地になり、旅館まで戻る。夜は日本酒飲みながら五輪見て寝落ち。部屋にこたつがあるんですもの、恐ろしい罠ですじゃ。。


翌日は男鹿半島の西側の海に面した男鹿水族館まで。水族館はこんな海岸のすぐそばにあります。このへんは夏になると釣り客で賑わうそうで、小さい民宿を多数見かけました。


日本のアクリル技術の高さを随所で感じられる、大変おしゃれでモダンな設計の水族館です。


ホッキョクグマのクルミちゃんのごはんタイム。


サカナもろたー!


ゆっくり食べる―!


ひれあし館ではくつろぎアザラシさん。


コンパクトで見やすく大人っぽい設計の水族館を見終わり男鹿温泉郷まで地元の路線バスで戻る。観光協会の近くで猫の足跡を見つける。この子がいま、どこかのお家のこたつの中でぬくぬくしてますようにと願う。

さて、ここから物語は帰京編へ。ホテルから秋田空港まで料金定額制の「エアポートライナー」という乗り合いタクシーで移動することに。2月9日日曜日の羽田空港はまだ除雪作業が終わっておらず、秋田発の午前便などが2便の欠航が早々に決まっているものの、搭乗予定の便は「出航検討中」の表示。そのサイトをチェックしながら「飛行機飛ぶといいねー」などとのんきに話していると、iPhoneがピローンと鳴った。google カレンダーに搭乗予定便の便ナンバーを入れておいたのだが、親切にもgoogle さんから「搭乗予定便が欠航になりましたよ」とメールでお知らせが! ひええっ!!! google 、恐ろしい子! JAL からの連絡よりも早いじゃん!!! マイルでの払い戻しはどうなる、そんなことよりあたい今日中に東京に戻りたいっ、ですよねー、新幹線で帰るのよー、『ヌマエ新宿に帰る』の巻ですなー、私、えきねっとの会員だよ、いま新幹線の予約ができる、運転手さん、空港やめて秋田駅向かってください、「いいですよー」、3時50分のこまちに乗りたいんですけど間に合います?、「大丈夫ですよ―」。

乗り合いタクシー頼んでてよかった・・・さくりと行き先変更出来てよかった・・・、JRのえきねっとの会員でよかった、席が空いててラクショーと思ってたけど、盛岡からごっそり乗って仙台過ぎた頃には満席だったし。飛行機なら40分の秋田ですが、新幹線だと4時間かかるのね。4時間いうたら、距離は全然違うけど東京から広島くらいです。結構距離あるなー。飛行機だと正規料金で片道24,770円だけど、新幹線だと16,000円弱。今回マイルでイッヒッヒお得に行けるわい、と思ったけど、思わぬ悪天候に見まわれ、まぁそういうこともあるよね、という流れに。水が多い国ってことは、つまりは、そういうことよねー、冬には雪、夏には雨に見舞われるってことよ。

考えてみると、秋田市は初めてで、ましてや男鹿半島をや! 温泉郷のホテルの同世代の女将さんが大変親切な方でとてもよくしていただきました。恐縮です! 夏にまた行きます! 男鹿温泉郷からは対岸東北東に白神山地が見え、落合博満ってこの辺の出身なんだよなー(私にとっては聖地じゃん!)、バスケの強い能代工業とかノシロケットちゃんとかはまだまだこの先に住んでるんだよなぁなどと感心しながら、短い滞在を楽しみました。

ていうか、私、ここ数年、年に一度は秋田に行ってる気がするのですが、もしかして私って秋田のことがすきなの!? 好きなのね! 今回は、秋田の本拠地・秋田市に初めて足を運べて良かったです、日本酒はどの銘柄飲んでもおいしいし、あきたこまちの広告のモデルは壇蜜ちゃんだし、「スタバのチャイラテのカロリーがすごい!」という話題になってるけど、お米のエキス(日本酒)で棒状のお米(きりたんぽ)を流し込む暴挙に比べたらなんぼなんぼ!!!!

【その他旅行メモ】

・マイルは電話手続きの上、使ってない分がNo手数料で払い戻されるそうです。よかった。
http://www.jal.co.jp/dom/rates/rule/irregular.html

・JAL の天気情報のサイトの存在を今回初めて知りました。各地の温度差がわかるので出発前に衣類の調整をするとき役立ちそうです。
http://weather.jal.co.jp/

・JAL の運行状況をずっとチェックしてましたが、同時刻秋田からは欠航しつつも新千歳からは朝から飛行機が動いていたようです。機材のやりくりもあると思いますが、代替の交通手段があるところは後回しになるのかしらん。いずれにしろ航空会社のみなさまは対応に追われていたことと存じます。お疲れ様でした。
http://www.jal.co.jp/cms/other/ja/weather_info_dom.html

・秋田の公共交通機関は概ね要事前予約、モノによっては前日まで予約なので旅程計画はお早めに。
http://www.airportliner.net/

・こちらのブログによると平野政吉と藤田嗣治の関係がたいそう面白そうです。こういうマニアックな本が、Amazonのマーケットプレイスでさっと見つかったりしちゃうので、早々に読んでみたいと思います。
http://20century.blog2.fc2.com/blog-entry-554.html
秋田県立美術館の紹介もこちらの記事をお読みいただけるとその魅力がよくわかると思います。ぜひぜひ!

・その秋田県立美術館のミュージアムショップで、私がハノイで買ってきたグリーティングカードと同じものが売られていました。現地の市場でホニャララ円だったものが、こちらでは700円。ふむふむ、むべなるかな。

・JRのえきねっとは登録しておくといざっていうときとても便利。年会費無料です。
https://www.eki-net.com/

・帰りの便のスーパーこまち、すわり心地の良さ、窓の下にあるちょっとしたトレイがわりになる小さなテーブル、トイレの使い勝手の良さ、車両の入り口に描かれた稲穂の絵など、どれをとってもすばらちい! 当然電源付き! しゅてき! いい車両に乗れました。
http://www.jreast-shinkansen.com/

・防寒対策に、ユニクロの暖パン持っていけばよかった。
http://www.uniqlo.com/jp/styledictionary/detail.html#/detail/2664

・滞在中、ラベル買いでこちらの「高清水 しみずの舞 吟醸酒」ばかり飲んでました。軽やかで飲みやすくておいしいです。
高清水 しみずの舞吟醸 720ml

・都知事選は金曜のうちに不在者投票しといたよ!不在者投票とかもコストかかってる要因なんだろうなーと思いつつも。

次は夏の男鹿半島に行くぞー!

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