なんとなくこの年代がうらやましい/田辺聖子「言い寄る」

言い寄る

半年ほど前に買っておいてあったんだけど、雪が降り出し部屋にとじこめられたのでようやく読みだす。そして一気に読み終わる。ソフトカバーというのが読みやすくてよいさね。装丁もかわいらしいし。

あらすじはAmazonから。
乃里子、31歳。フリーのデザイナー、画家。自由な一人暮らし。金持ちの色男・剛、趣味人の渋い中年男・水野など、いい男たちに言い寄られ、恋も仕事も楽しんでいる。しかし、痛いくらい愛してる五郎にだけは、どうしても言い寄れない…。乃里子フリークが続出した、田辺恋愛小説の最高傑作。

才能も収入もそこそこあって、頭の回転も早くて、親友の別れ話に同行するくらいの情も厚く、そこの席で慰謝料払いなさいよと交渉するよな度胸もあるしっかり手に職つけた独身クリエイティブ系女子が、ひとりで、自由に、生きる、というお話です。昭和40年代の大阪を舞台にした恋愛小説なんですが、この本をもっと早くっ、十代の終わり頃に読んでおけばよかったーよかったーよかったー(山の上で叫ぶイメージで)。こういう女性が「まっ!恋に生きるだなんて、なんてはしたないっ!」「イカスね、これが飛んでる女ってヤツさ」などと評されたのでしょうかのぅ。

『言い寄る』『私的生活』『苺をつぶしながら』という三部作のスタートのお話で、そういうことをまったく知らず書店で手にとったのだけど、大当たりでした。早速次の『私的生活』作品を取り寄せているところです。

これは、平成の働く女性もひとまず読んでみるといいのではないかしらー。小説だからだと思うんだけど、携帯電話が出てこないくらいで、今の暮らしとまったく違わないし。

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