こりゃすてき山岸凉子の漫画みたい/映画「危険なプロット」

危険なプロット(初回限定版)筒スリーブケース仕様 [DVD]

原題「Dans La Maison(In The House」、フランス映画。
作品紹介はギンレイホールから。

かつて作家を志していた高校の国語教師ジェルマンは男子生徒クロードが提出した作文に心を奪われ、小説の書き方を個人指導していく。才能を開花させたクロードの文章は次第にエスカレートしていき--。教師と少年のスリリングな駆け引きを軸にした知的サスペンスドラマ!

知的サスペンスドラマ!、とはいうものの、ジェルマン夫妻がこの美少年クロードの書く知的な文章にぐいぐい引きこまれていく姿はとてもユーモラスです。ジェルマンの妻が経営している現代アートのギャラリーも、あぁ現代アートなギャラリーで大変愉快。主人公たちが着ているものも画面と大変よく調和していて、特に教師のジェルマンが着ているセーターやジャケットは黒板の緑ととてもよくマッチしていて、目にも麗しい作品でござるよ。クロードは、邪悪モードな羽生結弦選手と思って眺めるとなおヨシ。少年に翻弄されていく中年夫婦をニヤニヤと、時にぞくっとしながら見つめる、そんなテンポの良い映画です。

山岸凉子の漫画にあったじゃないすかー。ちょっと世間知らずの主人公の女の子のところに遠い親類の美少年がやってくる。ちょっとここにいさせて、ちょっとお金貸して、ちょっと、ちょっとが続きおかしいなーと思った頃にはその少年が彼女の生活をかき乱しはじめ、「もうお願い、こないで!」と拒絶すると、アパートの玄関の前に猫の死体が。怖い、恐ろしい、あの子が細い指で玄関のチェーンをはずそうとしてる!!!、で終わる短編。あれのトンチの効いたフランス映画だと思ってくらはい。

ジェルマン役を演じるのは「屋根裏部屋のマリアたち」で移民のメイドたちを優しくケアする紳士を演じたファブリス・ルキーニ。この人、いい! こんなおっちゃんと老後を楽しく穏やかに過ごしたいものですじゃ。

屋根裏部屋のマリアたち [DVD]

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