気むずかしあの男性にも青い春/「69」「希望の国のエクソダス」

希望の国のエクソダス (文春文庫)

69 sixty nine (文春文庫)

立て続けに。希望の国のエクソダスは2002年刊行。確かこの頃って、「日本がアルゼンチンタンゴを踊る日」とか「経済ってそういことだったのか会議」も世に出た年よね。バブルが崩壊してしばらく経って、本を出版できるような立場の大人の男性は経済についてなにか語らなくてはいけないような空気があり、足元では「あれから5年も経過してるのに、なんだか全然よくならないじゃないかー、どうしてー」という声無き声がこれらの本を生み出したんだと思います。そうはいっても、今から思えばずいぶん平和で、まだまだのんきな時代でした。

そういうときに「この国には希望がない」と宣言した中学生たちが、今でいうベネッセの個人情報漏洩のようなことを真似して資金を得ようとしたけれども、それでは志が低かろうと、今の孫正義のようにエネルギー利権とともに新しいビジネスを生み出し、情報操作して空売りを重ね巨額を巻き上げ、今でいうビットコインのようなものを用い、今でいう道州制のようなシステムで、新しい国を立ち上げる、というお話です。おぅ、村上龍すげい、さすが5分後の世界! 村上龍さんは当時、インターネットってすげい、これは世界が変わるのでは・・・とふるふる震えて執筆されていたのかもしれません。そんな熱気が伝わってきます。しかし、それでも、今思えばまだまだ牧歌的。

「69」のほうは、そんな村上龍さんが32歳のときに自らの17歳のときの青春を描いた自伝的小説。妻夫木聡主演で映画になりましたよねー、えっ、あれって2004年なの!? もう10年前の話なのか!!!

あぁ、常に慎重に言葉を選ぶあの気難しそうな男性にも、妻夫木聡が主演をやるしかないような素晴らしく楽しいこんな青春を過ごしていたのか。長崎にゆかりがある人は全員読んでもいいんじゃないかしら。村上龍が通った佐世保北高校は、坂道のアポロンのロケ地でもあったのね。ふむふむ。メモメモ。この学校、日本テレビの「ガースー」さんこと菅賢治さんとか、漫画「オバタリアン」の堀田かつひこさんとか輩出されてはる。素晴らしい。さすが進学校。岡山県玉野市がいしいひさいちさんと一条ゆかりさんと寺田克也さんを輩出したのにも通ずるものがある!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください


Notice: Trying to access array offset on value of type null in /home/users/2/oops.jp-mouse-design/web/wp-kimonomichi/wp-content/plugins/amazonjs/amazonjs.php on line 637

Notice: Trying to access array offset on value of type null in /home/users/2/oops.jp-mouse-design/web/wp-kimonomichi/wp-content/plugins/amazonjs/amazonjs.php on line 637

Notice: Trying to access array offset on value of type null in /home/users/2/oops.jp-mouse-design/web/wp-kimonomichi/wp-content/plugins/amazonjs/amazonjs.php on line 637

Notice: Trying to access array offset on value of type null in /home/users/2/oops.jp-mouse-design/web/wp-kimonomichi/wp-content/plugins/amazonjs/amazonjs.php on line 637