ここ数年のウッディ・アレンの、上の階層の人々のやりとりを描いた、気の利いた、だけどどんよりした気分で映画館を後にする90分弱の映画みたいな短編だらけです、ていうか、そんなお話だけが収録されています。ヨーロッパの男はアメリカ女を前にすると原則たじろいでしまうのかしら。「東男に京女」というのが永遠の思い違いとでもいうようなズレをページからひしひしと感じました。
映画にもなった「朗読者」のおじさんなんだけど、あそこまで深刻に読み込まなくてもいい感じです。程よく冷えた白ワインと、たっぷりの佐藤錦と、ふっさふさの猫を脇に侍らせながらぜひー。