シネコンは遠くされど能近く/矢来能楽堂「舎利」


引っ越してシネコンは遠くなったけど、能楽堂は近くなったなー、と思い。
矢来能楽堂では、のうのう事務所さん主催で、能のワークショップ+鑑賞会が毎月開催されています。土曜に開く会と、金曜に開く会。昨日は、それで、矢来能楽堂で「舎利」を。
お能って、幽玄とかひそやかといったイメージがありますが、「舎利」はぜーんぜん違う。眠気を催さないお話。簡単にいうと、仏舎利を盗んだ足疾鬼を韋駄天さまが「ふんぬー!!」と追いかけるリアル鬼ごっこ。ビジュアル系ミュージシャン風出で立ちの足疾鬼たんが、舎利殿から仏舎利を盗んで空飛んでったり、それにおろどいて狂言師がごろごろ転がったり、韋駄天さまは怒りながら「こらー!」と打ち据える。「うふふふ、つかまえてごらんなさい」「なにを~☆」という声が聞こえてきそうなキャッキャウフフな逃走劇。おもしろかったー!!! 異界の人なのに、足疾鬼さんの能装束がたいへん華やかで、なんかすごくハンサムさんに見える! 足疾鬼×韋駄天っていえばいいのよね? きっとそうよね!
昨夜は、お能初体験のA馬さんとS村さんと、お能マスターW嬢との4人で鑑賞しまして、鑑賞後は、神楽坂の繁華街方面へ移動。現在、まちづくりのお仕事をされてるA馬さんが「バルセロナのサグラダファミリアの中で能を考えた」という面白いお話をしてくださり、一同興味津々。A馬さんの考えてるものが、昨日の能となにかリンクしたそうで、彼の頭の中でニュートリノがキラキラしていた様子でした。私たちは、いい場面に立ち会えたのかもしれません。
てなお話をしているときに、通りをちらと見たら、素敵に着物を着た男性が坂を降りてゆく。W嬢が「今の人、さっきの韋駄天を演じてた人ですよ!」と教えてくれる。まぁっ!韋駄天もよかったけど、現物の和装もすてきじゃないですか! 「でもよく落語家に間違えられるっていってました」、あわわ・・・・男性の和装道はなかなか厳しいものがありますのぅ。A馬さんには、次の国際会議の場で、ぜひ、紋付袴で司会をしていただきたく、おほほほ、今から仕立てれば間に合いますわね、とキモノミチに引きずり込みたく御座候。
今日の着物、柿渋染の紬、白の真綿紬の帯。

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