長野県某所、現在午後3時で氷点下五度、朝は氷点下十度、今日の最高気温も氷点下五度、というところでこれを書いてます。
あたしゃ、カズオ・イシグロという人を、苦難を乗り越えた日系ハーフの建築家だと思っていたのです、なんでか知りませんが。という話を寿司屋で友達にしたら、その人は「大学教授だとずっと思ってた、似たような名前の人がいるんだ」と応える。なぜ私も含め、私の周りではカズオ・イシグロの正体を調べようとしなかったのでしょう。
私が「苦難を乗り越えた」と思い込んでいたのは、この本のタイトルの影響だったのでしょう。
建築家だと思い込んだのは、「イサム・ノグチ」のナカグロ的なものから勝手に連想していたのだと思われます。建築家のくせにブッカー賞最終候補作になるなんて、芸達者な人だなーとつい最近まで思い込んでおりました。
この作品、現在、綾瀬はるか主演でドラマ化されてるとのことで、そのニュースを聞いて「あっ、カズオ・イシグロって本職が小説家なんだ」「忘れられた巨人も小説家が書いた小説家なんだー」と初めて気が付いたくらい、人の思い込みというものは恐ろしいものです、というかなんで建築家だと思い込んだのかしら。
これを・・綾瀬はるかが演じるの・・・・か・・・。悪くはないんだろうけど、若ければ菅野美穂がやるところですよな、田部ちゃんもやったみたいだけど、うむ。エミリ先生はティルダ・スウィントンがいいな。それでトミーを三浦春馬・・・・、いやいやいや、ここは柄本家の白蛇さんがよかろうー、などとキャスティングに文句つけながら読みました。地上のブレードランナーの物語でした。
いま、この表紙を見返して思ったんだけど、平成生まれの人たちにはこのカセットテープのイラストがどのように目に写ったことでしょう。「巻き戻しってなにを戻すの?」と質問してくる世代でしょう。恐ろしや恐ろしや。
この中での「Never Let Me Go」という楽曲の使われ方は、インファナル・アフェアのステレオショップでのシーンくらい印象的でした。