佐野洋子「シズコさん」読了

佐野 洋子
新潮社

¥ 1,470

(2008-04)


「シズコさん」は、佐野洋子の母親の名前。
7人産んで3人死なせて4人大人に育て上げた。
まだ誰も成人してないときに夫は死んだ。
そこから働き始め残った4人を全員大学に入れ、貯めておいたお金で静岡に家を買う。
買った家にいついたヨーコさんの弟夫婦の嫁に追い出された。
追い出されたシズコさんをヨーコさんは紆余曲折あってホームへ入れる。
ヨーコさんはシズコさんとの間に深いわだかまりをもっている。
「金で親を捨てた」といいながら、働いて働いて月30万のホーム費を払い続ける。
性格のきついシズコさんも、ボケて最後はきれいで上品な生き物に変わった。
骨が透けてみえそうなほどに痩せて、小さくなっていく。
ひとつの母娘のリアルな戦後史とリアルな物語と読みつつも、これから先、これが自分と自分の両親に待っているのかとずしりと響いた。うちは比較的良好なほうだと思うんだけど、それでも今の状態がベストではないのもわかってる。でも姉妹が3人いてよかった。それぞれがきちんと独立できていて本当によかった、と思う。ちゃんと3人そだてあげて、親はえらい。

 

それとは別に。ケニヤの子供たちの復興支援の歌。

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