水曜どうでしょうは将来、日本の失われた公共交通機関の記憶を辿る貴重なコンテンツとなるのではなかろうか/NHK「のんびりゆったり路線バスの旅」

水曜どうでしょうDVD第20弾『原付西日本制覇/今世紀最後の水曜どうでしょう』

カーリング見て、甲子園聞いて、バス旅見て大忙しよ!

NHKでたまーに放送する「のんびりゆったり 路線バスの旅」という番組がございますでしょ? イケメン俳優が路線バスでしか行くことの出来ない日本の田舎を尋ねる旅番組で、2011年から2013年までやってて、今ではたまーにスペシャル番組として復活するあの番組。どのくらいのイケメン俳優が登場するかといいますと、こんな感じです。

内田朝陽、平岳大(武田勝頼)、松田悟志(精霊の守り人)、山本耕史(新選組・あさが来たの土方歳三・真田丸の石田三成)、蟹江一平(天地人・どんど晴れなど多数、風間俊介(中学生日記出身)、山崎雄介、金子昇、藤本隆宏(坂の上の雲・堀田作兵衛)、須賀貴匡(天地人・八重の桜・軍師官兵衛・マッサン)、青山草太(nhk時代劇)、山口翔悟(だんだん)、中山卓也(カーネーション・風林火山・平清盛・軍師官兵衛)、黄川田将也(天地人)、石黒英雄(功名が辻・平清盛・軍師官兵衛)

どうです、このNHK俳優のラインナップぶり! ちょっと地方までバス乗る出張してきてくれば、次の大河で主人公の嫁の兄役などを確約されるも同然(嘘)! お茶の間に馴染んだ爽やかな俳優たちを地方各地に送り込み、俳優自らに未来の視聴率を歩いて稼がせる旅! あたくし、この番組のなんにも起こらなさが大好き。

だいたい東京で俳優さんの仕事してるというだけの彼らが、鶴瓶のように見知らぬおばちゃんたちといきなり濃いコミュケーションが取れるわけでもない、杉浦太陽のように初めて会った農家・畜産家の人と交流し料理をアレンジする技能があるわけでもない。ただバスに乗って地元の人と「へーそうなんだー、これで病院に通ってるんだー」「そうなんですよぅ」「へー」「・・・・」「・・・」と生ぬるい無言の空間が漂うだけのなんにも起こらなさっぷりがほんとに大好き。そのくせ、無駄にイケメンでテレビで見たことがあるお顔なもんだから、彼らに接した現地のお嬢ちゃん・お嬢さん・学生さん・新婚さん・奥様・おばちゃま・おばあちゃまたちの頬が自然とつやつやしてくるという、歩くライトな回春剤派遣番組でございますよ。あの来訪のおかげで寿命が伸びた方はたくさんいるのではないでしょうか。

この番組の毎週放送が終わってしまい寂しいのぅ寂しいのうと思っていたら、季節の変わり目にたまにスペシャル番組として復活してるみたい。そんでイケメン枠になぜ野間口徹さんが入っているのかというツッコミは脇に置いておいて、相変わらずっ、ほんとうにっ、なにも起きないなー君たちーと見守るのが楽しみでございます。ある意味、善良なバスを使った水曜どうでしょうとでもいいましょうか。

そう水曜どうでしょう。あの番組のサイコロの旅・深夜バス関連の企画は2000年前後に収録されています。今見返すと「うわー懐かしいなあの車両」とか「こんな深夜バス、いま走ってねぇよ」とか「この路線ってもう無くなっちゃったよね」といった発見だらけです。京都駅はまさに再開発が終わったばかり、キングオブ深夜バスはかた号が発着する新宿西口バスターミルは昔も今もヨドバシカメラはの電飾が輝いているけれどこの春からバスターミナルは新宿南口に移動します、東京駅だってきれいになる直前でいろんなものがごっちゃり視界に入ってきてこんなんだったのかと口あんぐりしちゃうくらい。収録されている新幹線やバスの車内アナウンス聞いて「あ、これ、うちのお父さんじゃん!」って人もいるわけですよ、15年前の日本ってこんなんだったんかーと望郷ビデオですよ。
携帯もないスマホもない、ナビタイムもない、おしゃれな革ジャンはバレンチノ製だけどスペルがちょっと違ってて、いい年した大人だったら2ケタ台の国道と主要な特急の路線はざっくり頭に入っててカーナビなんかなくても地図を片手に北海道中を、日本中を移動することができる、そんな時代のバラエティ番組ですよ。ほんとに、20世紀の日本ってこんなんだったんですよ。

そんな思いを抱えて、のんびり路線の旅番組を見ていると、この山奥の過疎の村にはいつまで路線バスが走ってくれるのか、この県境を越えていくバスはこのあとも残るのか、残るとしたら行政がどのくらい負担金を出すのだろうか、二十年後に今日放送していた番組を見返したとき、日本の美しい景色はどこまで残っているのだろうか、たまたま福岡旅行でお世話になった旅館の看板が今日の放送にちらりと映り込んでいたけれど筑後川で鵜飼をやっているというあの青年は二十年後も同じ仕事をしていられるのだろうか、と野間口さんの顔を見ながらさめざめとした気持ちになってしまったのです。さめざめ。

人は懐かしい風景の変化にどこまでついていけるのでしょうか。失われていくものは失われていくものとしてただ見送ればいいのでしょうか。さめざめ。まぁしかし、バスの旅にもいろいろあるってことですな。

水曜どうでしょうDVD第18弾「ゴールデンスペシャル サイコロ6」「onちゃんカレンダー」「30時間テレビの裏側全部見せます!」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください