常態が戦時イギリスシン・ゴジラ/映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(原題 Eye in the Sky)」

ポスター/スチール 写真 A4 パターン2 アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 光沢プリント

年末に滑り込んでみた。

主人公が画面左上のヘレン・ミラン、ショートカットもいいですね! 画面右側が現地で超小型ドローンを操りながら敵情視察をする青年。画面左下がイギリスから遠く離れた土地(ハワイかな?)でコントローラーからミサイルのスイッチを押すためにいる軍人、ブレイキング・バッドに出てました。その隣が、ヘレン・ミランに政府の意向を伝える軍人、演じるのはアラン・リックマン。彼はロンドンの地上の会議室で閣僚らと軍事作戦を決める大佐。ヘレン・ミランはまた別の場所にいて「総理、いいですね!? 撃ちますよ!?」という中尉役を演じています。

物語はこんな感じ。過激派組織に属している米国人テロリストが英国同盟のアフリカ某国に潜伏していることが発覚。何年も足取りを追っていたヘレン・ミランにとって、千載一遇のチャンス! 「ここでやつらを空からドローンで殺しちゃいましょう」と提案、大尉や閣僚たちは「そんな無茶な! 米国人でっせ? 捕獲だけでええですやん」などとモメているうちに、同時にその潜伏先で自爆テロが進められていることがわかる。苛立つ中尉は「ここをまるごと無人爆撃機で爆破しちゃいましょうよ」「はぁ? 無理だって! 周には民間人がたくさんおりますやん!? いたいけなちいちゃい子供もおりますやん!?」「でも、自爆テロされたらもっと人が死ぬで? いまやるなら民間人犠牲者はこれうくらいで済むけど、市場でやられたら多分80人死ぬで?」「ぐぬぬぬ」・・・・というやりとりをロンドンの秘密基地で繰り広げ・・・・、という現代の戦争を描いたお話。薄々気がついていたけれど、「うっわー、いまの戦争ってこうなんだ・・・」と頭ガツンと殴られるような作品でした。オサマ・ビン・ラディンを殺害するとき、オバマ大統領やクリントンたちが眺めていたスクリーンってこれだったんだ。そのときのホワイトハウスの写真はこちらから。
http://www.gizmodo.jp/2011/05/killing-white-house1.html

世界各地に点在する軍事拠点をネットワークでつないだ緊張感あふれる密室劇で、この映画の撮影中、ヘレン・ミランとアラン・リックマンって顔あわせてないんじゃないのかしら? 豪華俳優たちがでていますけど、撮影期間も短そうだしお金もかかってない(制作費18億)。映画の中ででてくるハチドリ型のドローンやコガネムシ風ドローンは既に実用化されているものです。軍事に携わるみなさんは毎日毎日こんなことをしているの? 毎日毎日機密情報に触れ、わずかな時間で民間人への犠牲を含めて判断していかなくてはならないの? 神経磨り減る仕事だし、人としてのなにかも確実に失われ、蝕まれる職業だよね。

この時代に見ておいても損のない低予算高密度高品質映画です、機会がありましたらぜひ。上映館がほんっと少ないのが残念。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください