老人ホームのお話
父ちゃんの老人ホーム探しの一環で姉が見学にいったホームがすごかったらしい。入居金300万、月額30万で、首都圏で施設探している人からしてみたらアホみたいに入居金が安いんですが、まぁ月額費用はどこも同じようなものになるのよね。姉の家に近いこのホームに決める気マンマンで現地に向かったそうですが、いざ見学してみたら「文化がちがーう!」な場所だったらしく一度の見学で諦めたそうです。
姉が行ったのはたまたま午後のお遊戯(?)の時間、どんなことやるのかなーと見学席から見ていたら、美人スタッフのみなさんがなにやら色とりどりの小さな小瓶を並べたカートを運んできて、グループごとに小瓶が入ったかごを配っている。行き渡ったところで、美人スタッフさんがこういった。
「みなさーん、今日は香水の香りをかいで、ブランドをあてっこしましょうー」
「あら、なつかしい、これってゲランのミツコね」
「シャネルはいいわねー若い頃を思い出すわ」
「最近だとわたし、これが好きだったの、うふふふ」
はい、私の父親には絶対ムリです、この亜空間!!! 私だって赤面するわい!
グループホーム
グループホームには二泊三日のお泊り体験をしてみました。こちらは三食すべて用意してくれるタイプ。そのときいあわせた美しい白髪の小柄な可愛らしいおばあちゃまが赤ちゃんの人形を抱いてずっと話しかけたり、中尾ミエみたいな姿勢の良い化粧もばっちり決まったキリッとしたおばあちゃまが実は重度の認知症だったりで、「こんなしっかりしてらっしゃるように見えるのに・・・」、認知症って外からわからないものです。
ちなみに父親は、ここに入るには介護認定が足りず(自活しろってことです)、断られたんですけど、いま考えればそれでよかったと思います。グループホームは月額10万でちょこっとお釣りが帰ってくるとのことでした。どの方もご自身の年金でまかなっているみたいです。
父の年金
父は、厚生年金にぎりぎり滑り込めた人なのですが、「えっ、あの少ない掛け金で、毎月これだけもらえますのん? フル稼働のパートさんよりもらえますのん?」という金額。これだけあればグループホームもなんとか行けるわけですが、ほんとうに、老人に手厚い! 父親なんて地元の小さな家族経営の会社に勤めていたので、そんなにたくさんの年金をもらっているわけではありません。おそらく厚生年金最低支給額だと思われるのですが、それでもこの手厚さ。高度成長期を愉快に生き抜いたリーマン家庭の子どもたちが、親の遺産でマンション買えるわけだわって簡単に予想がつく手厚さ! でも別に彼らが積み立ててきたお金じゃなくて、いまを生きる現役世代の納税分でまかなっているんですけれどもねぇ。人口ピラミッドがうまく機能しないとこうなるわけですわ。なんでわたしたちは子供を産まなかったんだろうねー。一組の夫婦で二人子供産んでやっとプラマイゼロなのに!