体育の日チコちゃんに叱られる/「マンガ 自営業の老後」

マンガ 自営業の老後

 

フリーランスが、死ぬまで幸せに生きるために、
いま、できることのすべて

みんなが苦手な年金や税金の話を超絶わかりやすく体感できる実用コミックエッセイ。 老後貧困に陥らないために、そして、死ぬまで黒字でいるために何をすればいいのか。53歳 超ずぼらイラストレーターが、専門家と先輩の力を借りて、ギリギリセーフで老後の備えを始めます。

「ボーっと生きてんじゃねえよ!」

53歳で年金未加入、4月も過ぎているのに確定申告が終わってなくて延滞税が発生してる、だけど面倒くさいから後回し、家のローンは完済してるから老後を考えるほどのお金がないってわけでもない、書き手に足りないのは常識と社会意識ゃないのか。バブルのときに自営業をスタートすると、これほどズボラに生きていてもなんとかなるんだという格好のサンプル。金融情報にたくさん触れられるようになった現代の、現役の自営業者でここまでザルな人っていないんじゃないかなあ。

 

作家さんは1963年生まれの女性。あぁ、なるほど。1960年生まれの竹熊健太郎さんが『フリーランス、40歳の壁――自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?』という本を出したけれども(あの本は読んでいないけれど)、共通しているものがあるようにも思う。ちょっと上の世代の、主にバブルのときからその後夜祭あたりまでいい思いしてきたであろう先輩方。

あの頃は年金払わなくても今ほどガタガタ言われなかったし、サラリーマンより稼いでいたしお金も残っていたから、実のところサラリーマンの皆さんを馬鹿にしていたんじゃないでしょうか。「どうして年収数百万のサラリーマンが住宅ローンに通って、私は通らないのか。私のほうが稼いでいるのに!」などと考えていたのではないでしょうか。審査に通らない背景を知るリテラシーがなかったのではなかろうか。

あのときの憤激はそのままに10年、20年経ち、当時自分よりしょぼく見えたサラリーマンという生き物は、社会的にも地位が高く、手厚い保護もあるご身分もあるということにようやく気づき、それにひきかえ自分は・・・というような。怖い、怖いよぅー。

フリーランス、40歳の壁――自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?

 

この本は「自営業の老後」というタイトルだけど、「そこそこ稼いできたけどぼーっと生きてきた私の老後」というタイトルに変えて、斗比主さんに叱られるとちょうどいいと思います。

 

ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30

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