復興号で帰るいとしの香港へ/珠江デルタ地帯中国高速鉄道乗り鉄の旅 その5

広州は、ものすごく広くて、ありえないほどやかましい土地という印象を胸に、さよなら広州、私は新幹線で香港へ帰ります。

広州南駅


写真は乗車待ちの人でごった返す広州南駅。ひひひひひろい・・・羽田の国内線第一ターミナルは間違いなく4つ入っちゃうと思う。「ホームは26番線までだから、東京駅と一緒じゃん」と思いはしたんですけど、広州駅に停まるのはすべて高速鉄道ですから、東京駅も4個くらい入りそうです。

メインランドで生まれ育ち、2000年以降のこういう中国の姿しか知らない若い世代は、東京にきたら「うわっ、ちっちゃ!」「天井低っ!」「ミニチュアみたい!」と思うんだろうなー。

中国鉄路高速 复兴号


※撮影は香港島。


一等車にしてみました。その上にさらにそれぞれの席がシェルで覆われたビジネスクラス、ファーストクラスがあることに乗車してから気が付きました。一等車は少し座席ゆったりめ、足元広め、フットレスト付きで、日本の新幹線でいうところのグリーン車相当と思われます。色使いは控えめで、九州新幹線の内装とおなじような落ち着きが感じられました。

ちなみに、広州-香港島間は1時間で一等車の料金は5000円、距離にして約200km。私が乗ったのは「京港旅客専用線」という路線の最後の部分の「広深港高速鉄道」、京は北京の京。これに乗って北京まで行けちゃうんです、9時間かかるけど。飛行機なら2時間45分でいけちゃうんだけど。さすが万里の長城を作った国、これくらいの鉄道敷設、どうってことないんだろうなー。

この車両で隣に座ってたおじさんがイヤフォンをつけずにずーっと大音量で動画を見ていて、文明が未だ到達してないのかと心配してしまう。そういうところだぞ?


出た-、速度307km! フォントは明朝風、ふむふむ。ビジネスクラスとの車両連結部に洋式トイレが有り(和諧号はまたいで使う中国式トイレだった)、給湯スペースなんかもある。中華おじさんが立ったままカップヌードルを食べていた。車内は、車掌ガールや車掌ボーイがうろうろしてるけど特に検札はなし。

広州から香港への車窓は、中国南部の温帯エリアで、低木の生い茂る背の低い山が連なり、水田や畑が続くのどかで緑豊かな風景。深センを過ぎてからはすぐトンネルに入り、あっという間に香港の西九龍へ。リッツカールトンホテルの入るビルの真下に当たる場所に到着。前回2015年にきたときはまだ開業してなくて、工事中だったこの場所に広く美しい洗練された国際鉄道駅ができていました。かっこいい。下は2015年に行ったときの香港の写真、記事はこちら

香港西九龍駅


下車して、セキュリティチェックとIDチェックがあり、中国出国・香港入国。ガラ空きの入国審査を経て外へ。その地点から市内へ行く地下鉄駅までえっらく歩く。入国後すぐのところにタクシー乗り場があったけど、待ってでもそれに乗ってもよかった。駅まで15分くらい歩いたのではないかと思う。

香港のSuica「オクトパスカード」を持っていたので、ひとまずチャージしようとチャージ専用端末に向かう。しかし2015年に使ったきりでそのままだったので、当然動作しない。インフォメーションで事情を話して、アクティベートしてもらう。あぁん、日本語英語が通じる素敵な土地☆ 

地下鉄に乗ってまたた驚く。降りる人が先、乗る人があとという当たり前のことができる。みんなイヤフォンしてる。男性たちがつま先を覆ってる靴を履いてる、平日だからかジャケットを羽織ってる男性たちが多い、話し声が穏やかで静か、日本語英語が通じる、あまつさえ日本語版アメリカンジョークでさえ通じる、さらにクレジットカードが使える・・・・・ぶぶぶぶ・・・ぶ・ん・め・い・・・すごく落ち着く・・・・。

ホント今回、メインランドまで足を運んでよかった。様々な知見を得ることができた、そういう点で素晴らしい旅だった。あの広州びとのぬくもり(=もみくちゃ)、楽しそうな人々の暮らし(=少しやかましい)、外資系ホテルでの素朴な振る舞い(=算数が苦手)、いろいろあったなー。中国では乗り物と飲食でしかお金を使わなかったけど、その分、香港で使うわよ、と意気込みつつ、香港の夜は更けていくのでした、というか爆睡したのでした。

香港ホテル事情

今回は、香港島の中心地を外した地元資本系の中堅ホテルに宿泊。各大陸からの価格重視ツアーの団体旅行客も、個人客も受け入れている客室数多めのところで、お値段お手頃、交通至便、タクシー常駐、スーパー・コンビニ至近距離、気軽なチェーン系外食店も多く、設備は古いけど、全体清潔で、リニューアル部屋はナウでヤングなイケてる内装で(いろいろが死後)床が広く使えたし、浴槽も完全リニューアルしてあり気に入った。常宿候補になりました。

香港のホテルって、フォーシーズンズとかリッツカールトン、コンラッドといった名の通った一泊5万以上高級外資系ホテルか、一泊3万以上のやんちゃな設計のブティックホテルと、1万から2万の昔からある地元資本ホテル、それ以下のさらに経済的なホテルの4種類で構成されています。私のお財布事情としては、今後も地元資本中堅ホテルがメインになるわなーとヴィクトリア湾を見下ろしながら思ったのです。なんで若い頃、あんなに高級ホテルに泊まりたがっていたのか、謎! 

 

3 COMMENTS

ふなき

お疲れ様でございました。大変読み応えがありました。
数年前、香港から入って広州、東莞に一週間ほど出張した際、取引先及び当時の上司から「大陸ではカードが使えないことが多いので現金を大目に両替するように」との指示を受け、たしか80K円ほど空港でドキドキしながら両替したのを思い出しました。当時で5500RMB程度、100RMB札が束になって手元に来たときは思わず周囲を警戒したものです。
結局2500RMBほどあまったので日本で再両替しようとしたところ「スキャナーを通らない札がある」と5枚ほど返されたのは良い思いでです。中国での両替は空港に出展していた正規銀行の窓口だったのに!!
大陸の方々のテンションの愛すべきテンションの高さ、良くも悪くもアグレッシブなところなど、日本で遭遇するとナンダカナァという気分になることもありますが、現地だとなぜか微笑ましく感じられるのも大陸あるあるかもしれません。
楽しい紀行をありがとうございました。また話を聞かせてくださいませ~!!

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ukasuga

これ書いてるとき、ふなやん楽しんでくれるかなーと思いながら綴っておりました。そうですか、東莞に一週間に出張、お疲れ様でした。スキャナーを通らないお札、銀行ATMで!!!

ちびっこが多いからか本当に元気がよい国で、郷に入っては郷に従えと申しますので広州人と肌のふれあい(=地下鉄乗るだけでもみくちゃ)をしてきましたが、普通の祝日でこの騒ぎなのかとおどろきました。私もだいたいブログで書き尽くしたような気がしますが、中国あるあるお話しましょー!

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たかとり

ご無事にお帰りなさい!

高速鉄道がそんな便利なことになっていたとは!いろいろがわたしの知っていた広州(2016年3月時点)とあまりに違うので参考になりました(そもそも行った目的・場所が全く違うわけですが…)。しかし広州南駅の大きさにびっくりです…(同じように香港から移動できる鉄道駅なのに広州東の方はしょぼい記憶しか…次行くときはきっと新しい広深港高速鉄道を使うことになるのでしょう)。

お金関係では、この春行った北京はスマホ決済( WeChat Pay かAlipay)ができるとできないとでは快適さに雲泥の差が生じたのですが、広州はいかがでしたか?

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