美術館や大聖堂などがすべて修復中で、ムンクもなにも見られなかったけど、ノルウェーと海の関わりについて深く知ることができた一日市内観光のお話。町の規模でいうと、新橋・汐留・浜離宮一帯+ちょっと足を伸ばして浅草行くといった感じの距離の移動で、とてもコンパクト。町から電車で15分も坂を登り、谷の向こう側に目をやれば豊かな田園地帯もある。街のあちこちに彫刻があり、オスロは街そのままが彫刻の森美術館みたい。観光業の人はみな親切で、はたと我が国を振り返りますと観光で来た人にすら優しくできない国に五輪ができるものでしょうかどうでしょうか、などと。
半日観光ルート
さてその日のルート。王宮近くのホテルに宿泊、ホテルから中央駅まで歩いて20分、4のノーベル施設までは10分。携帯電話屋にいってデータ通信網をゲットするところから一日が始まったのですじゃ。
オスロ中央駅まで
おしゃれセブンイレブンとシェアサイクル。
おしゃれ公衆トイレ(※有料)
オスロ中央駅隣接の観光案内所で、オスロパスという乗り物きっぷ付き観光カードを買う。おばちゃまと若い女性たちがきびきび働いてて、とても親切。アジア人と見るやゆっくり明朗な英語で会話してくれてものごとがスムーズに。ここで、翌朝に乗るベルゲン急行のホームの確認や駅構内の予習を済ませておく。
オスロ中央駅からアーケシュフース城経由で海洋博物館などがあるビィグド地区へ行く船着き場まで、バスに乗ったり歩いたりしながら目指す。
アーケシュフース城の素朴な城塞。現役の設備なので衛兵さんもいる。
マンションみたいなフェリー。
ザ観光船といった風情の小さな水上バスでビィグド地区へ。
着いたー。えっ、これはもしや現役の船なの?
ビィグド地区の海系博物館
フラム号博物館
まずはアムンゼンが南極探検に使ったフラム号博物館へ。
船着き場からすぐ三角形の大きな建物が。なんでこんなに三角形なのーそんなに雪が降るのーメキシコ湾流がやってくるというのに?、と思ってなかに入ったら、
実際に使われた船がまるまる入ってた。ぎゃっ!
大きな壁をスクリーンにして荒れ狂う海の映像が!
船内を探検できるようになっており、展示のミニチュアなどの細工物もリアルでなかなか見応えあります。大人が見ても充実。フィンエアの機内映画でも「Amundsen」という彼の映画を上映してました。ノルウェー語で英語の字幕付き。眠りながら見たので「なんか重大なことやらかしたけど偉業を達成した人?」という感想を得たけど、そうかそういう人だったのか。今度日誌とか読んでみよう。
海洋博物館
フラム号博物館のすぐ隣。入ってすぐ12世紀頃の船がお出迎え。えっ、これでっ北海を!? フェロー諸島までっ! 行ったりしたの!? トルフィンたちやるなー。
トルフィン ↓。
こういう見せ方に弱い。
こぢんまりした入り口から入ってみたら思いの外広く、奥行きもあり、大人も子供も楽しめる博物館。館内のいたるところに船の大きな模型が飾ってあり、模型職人の作業室が覗けるようにもなっていた。手先が器用で船好きな人は全員ここに就職すると良いと思うよ!
館内の明るく気持ちのいいナチュラル系カフェで、ランチ兼休憩をとる。
コンティキ号博物館
フラム号の徒歩30秒のお向かいに位置してます。ノルウェーの人類学者トール・ヘイエルダールさんが、ポリネシア人の祖先が南米から海を渡って渡来したアメリカインディアンであるという説を体を張って立証しようとして作った巨大な筏。こちらも現物が展示されています。先程の厳しい海に男の名誉を勝ち取りに挑んだアムンゼンのフラム号博物館とは大きく異なり、南洋感たっぷりのなんとなくのんきなおもちゃめいた印象の博物館。男の人生とは!
3館見終わったところで、バスに乗り移動。
ヴァイキング船博物館
西暦800年に建造されたヴァイキング船など3隻が展示されている博物館。簡素で堅牢で美しい建物の中に鎮座するヴァイキング船は神々しくさえある。ヴァイキング船の舳先のドラゴンっぽい造作を見られて満足。
近隣の猫さえ雄々しく見える。
ノルウェー民族博物館
ヴァイキング博物館から徒歩5分くらいの距離にあり、日本でいうところの明治村や江戸東京たてもの園のような昔の建物を移築した建物村と、民俗資料をきれいに陳列した博物館からなる施設。上のような教会や古い農家、近現代の街を再現したエリアなどあり歩き甲斐がある。しかしその再現したという昔の農家と同じものが現役で働いている姿を、ノルウェー奥部で何度も見たよ、あれ?
欧米オナガと勝手に名付けている好きな鳥もいた。
オスロ市内を見下ろしに
民族博物館を出たところで午後4時過ぎ。もう一箇所どこかに行けそうだったのでバスで市内に戻る。次は地下鉄に乗ってホルメンコーレンジャンプ競技場のスキージャンプ台を見に行こう。遠くから見ても目立つ、とても美しいデザインのジャンプ台なのですよ。
地下鉄の駅でどちらのホームに乗るべきかわからずもたついていたら、60歳くらいの男性が「あんたはどっちに行きたいんじゃね?」と声をかけて教えてくれた。優しい。とても優しい。
地下鉄は数駅だけ地下を走り、残りは地上を走る。住宅街を抜け、田園地帯を見下ろし、カーブのゆるめな箱根登山鉄道のようにしてゆっくりと坂を登っていく。
そして終着駅。
こんな風景が見える。夜景を見に来ても良さそうじゃないですか。
またすぐ電車に乗り、ホルメンコーレンまで戻る。ここから徒歩15分ほど歩き、ホテルのカフェのテラス席でお茶。キャッシュオンデリバリーだけど、キャッシュは使えずクレカオンデリバリー。
競技場に戻り、スキージャンプ台を見物。ノルディックスポーツの練習をしているちびっこがたくさんいました。
ジャンプ台からも海が見えます。
この石段がどれくらい大きいかというと成人女性と比較するとこれだけの高さ。
歴代優勝者の名前が刻まれたプレート。高梨沙羅ちゃんの名前も。
暗くなってきたので帰ります。夜8時の空の様子。
算数ができないオスロパス
オスロパス 445NOK
・ノルウェー海洋博物館 120NOK
・フラム号博物館 120NOK
・コンティキ号博物館 120NOK
・ヴァイキング船博物館 100NOK
・ノルウェー民族博物館 120NOK
・市内1日乗車券 108NOK
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合計 688NOK
オスロびと、算数ができない! 私にオスロパスをもたせたことを後悔するがよい!!
海まわりの博物館が思いの外楽しくて勉強になりましたよ。今回は各所で改修工事だったり移築工事だったりで芸術関係にまったく見ることができなかったのですが、もう一日あったら美術館めぐりに費やしたと思います。初めてのオスロだったけど、学びあり・晴天あり・眺望良しの楽しい完璧半日観光となりました。
明日は一日乗り物に乗り尽くしてベルゲンへ移動します。