村井理子「犬がいるから」/ブレイディみかこ「花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION (ちくま文庫)」

犬(きみ)がいるから

村井理子さんとハリーの素晴らしい毎日をツイッターでちらちら見ていたけれども、彼女のウェブ連載がまとまった本を読んでみた。一章ずつじわっと涙ぐむところがあって、それはハリーのことだったり、成長していく双子のお子さんのことだったり、ハリーとスケボーして派手にころんだお父さんのことだったりするんだけど、庭の木の葉と葉がこすれる音しかしない初夏の午前中に幸せを噛み締めているところでもぶわっと涙が出た。自分が詠んだ句を思い出したりした。

犬を飼うめぐる季節の美しさ(鶉)

季語ないんですけど、犬と暮らすのはほんとうにいいなーって思って詠みました。父親が犬好きだったので、秋田犬や柴犬などの和犬がいつもいたけど、いま思い返すとザ昭和の飼い方でもう少し楽しく幸せに健康に長生きさせられることが出来たんじゃないかと反省している。

もちろん猫も最高さ! あんな小さくてふわふわっで美しくてうんちが臭くて意思表示がしっかりできてうんちが臭くて、新鮮な水がない時には落としても割れない頑丈な器をガツーンと流しに落とし込んで「ほら、水? 水は? おまえには耳がないのかい? 水を早くお出しなさい」と傲岸な振る舞いをしたりするくせに、人間が帰ってきたら高いところに登って「早く早く!」と私の背中に飛び乗り頭をスリスリし、その状態でご飯台まで人間を歩かせて「お留守番のご褒美のおやつまだぁ?」と頭をスリスリしてきたりする、あぁっ、もうっ、なんておりこうなの! 

花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION (ちくま文庫)

こちらは少し古く、ブレイディみかこさんが2003年ころに書かれたブログ本をまとめたもの。6月に出版された「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」が話題なので、これを読む前にできるだけ時系列で追っていこうと思い手に取りました。

ブレイディさんみたいに、文章がうまくて頭の良い女性っているもんなんだなぁ、とブログ掲載時から常々思ってましたが、紙の本でまとめて読んでよかった。彼女はいちブロガーから定期的に本を出版していけるような物書きになってきたのだけど、「文章の民主化」の筆頭にいる女性のひとりだと思う。昔はこういう海外在住記録本なんて林望と村上春樹くらいしか読めなかったことを思うと、面白い良い時代になったなーと思う。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

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