残響―中原中也の詩によせる言葉 町田康

残響―中原中也の詩によせる言葉

薄紫色の部分は幅広の帯ですので。帯つきで書影アップしちゃったんですね。帯を取るとタイトルだけのシンプルな表紙が姿を現し、詩集らしさを醸し出してます。帯とっちゃったほうがすてきよ。

中原中也の詩に町田康が言葉を寄せているというほんとうにそうとしかいいようのないものです。こういう本でもなければ中原中也の詩をまじめに読むこともなかったと思うのでよい機会でした。本のタイトルである「残響」という言葉にふさわしい町田康の詩もあれば、温厚な中原中也ファンが助走をつけて殴りかかってこないかと心配になるものまでいろいろ。こういうときはAmazonのレビューだ、あ、やっぱり激怒してる人がいる、ですよねぇー。

日本のパンクロッカーたちは、みな中原中也の影響を受け彼の用意した門をくぐってから世にでてきたのでしょうか、必修科目すぎて「彼に影響を受けました」とわざわざ誰も口にしなかったんでしょうね、ゆあーんゆあーん。

中原中也は俳句をどのくらい嗜んだのかしら、野球好きだったんでしょうね、小林秀雄と中原中也の間になんらわだかまりはなかったのかちらどうかちら、中原中也のご家族の方は苦労されたでしょうねぇ、ご実家の方も奥様も、この時代は本当にうっかりと子供や人が死んでしまうのだよなぁと、彼のあまりにも短い人生に思いを馳せたりしました。それにしても地方豪族の子どもすごい。

彼と同時代を生きた太宰治の「人間失格」を伊藤潤二が漫画化したのを寝る前に読んでしまい(追い昭和)(こちらも地方豪族の子どもすごい事案)、今朝は変な夢を見てぐったり疲れた朝でした。伊藤潤二もすごい、伊藤潤二であるというだけですごい。文学の漫画化作品の中には出来事の絵を書いてセリフをただ乗せているだけのようなものもありますが、本作は伊藤潤二の画力と圧倒的な構成力がないとなし得なかった素晴らしい漫画作品。一巻を試し読みしたけど、全巻買います、一巻ずつ買っていきます。

 

人間失格 (1) (ビッグコミックス)

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