達人じゃなくささやかに生きていく/金子由紀子「時間上手の暮らし方」 その他

時間上手の暮らし方―ゆったり過ごす夢がかなう (アスペクト文庫)

「時間上手指南書がこの世にはたくさんあるけれど、別にみんながみんな国際会議や経営者会議にでるような立場じゃないし、もっと普通の暮らしの中で時間を大切に使いたいってだけじゃない? そういうごほんって今までなかったよねー?」というゆるめ時間節約術。心がせかせかしない、させない、その程度の時間の上手な使いかた指南書で身近な内容で好感が持てた。

この本にも紹介されていたのだけど、小さいタイマーアプリをパソコンに入れておいて小刻みに作業を進めていく方法はよいと思います。私の仕事は小さい小刻みなことの積み重ねなので、バナーを作る、新着情報を作る、といった作業時間のそれぞれに対して5分、10分、15分、30分とだいたい目安ができています。いざ始めるぞ、というときタイマーをセットしてその時間内に終わらせるようにしてます。タイマーが起動していると緊張感が生まれ、集中できます、SNSを覗く暇などありません。短い時間で効率的に作業を進めるためにはそれぞれの素材やデータを常にわかりやすくファイリングするのも習慣づけられ、このハードディスクをまるごとアシスタントのW嬢に渡せばスムーズに引き継ぎができることでしょう。その程度のささやかなことでよいので効率的に、常に「手を抜くな楽をしろ」な環境を作っておくとよいよね。タイマーはここらへんから探して使ってます。たくさんあるね!
http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/win/personal/tokei/timer/

手帳の使い倒しについても紹介されてます。ちょっと話がそれるけど、わしらの若い頃、システム手帳というのが流行ってましてのぅ。私も5年くらい使ってみましたが、「システム化するほど、私の人生にそんなに予定はないなー」ということにハタと気が付きまして、それからだんだんシンプルな手帳を探し求めることになり、いまでは高橋書店のに落ち着きました。同じ手帳を毎年買い換えてるのですが、同じサイズのものだと保管が便利、毎年同じものを買い替えているので悩む時間がなくてよい。
この手帳はすごく使い倒してる。見開きの365日カレンダーにはその日の朝の体重を、マンスリーカレンダーは月の予定を、見開きの週ごとのページはお小遣い帳(仕事の経費もクレカの出費も一緒に)、などなど、その他のページに過去2年分に支払った社会保障費のメモも残してるけど、「うわっ、我が国の税金あがりすぎ!」なんてバナーがすぐ作れるほど便利よ! 「高橋書店のポケット家計簿をいかに活用しているか」座談会があれば喜んで飛んでいくのにー。

この中で一番印象的だったところを抜き出しておきます。

締め切りがないからといって、この問題を放置しておくとどうなるか
一年後
五年後
十年後
自分の最期のとき

はっ!!!!! こういう課題は意外とたくさんあるよね!!!! 親のこととか家のこととか美容とか健康とか。気が重くなるようなことをついつい先延ばしにしちゃうくせがある人(私のことだけど)は、一年後といわず、一週間後、一ヶ月後、半年後、くらいのスパンでも見る習慣をつけとくとよいのかも。メモメモ。

その他、最近読んだごほん。

海外で暮らしている年配の日本人女性が「まぁまぁ最近の日本人女性はどうしちゃったことなんざんしょ!」と嘆くご本を読むのが好きでそういう話かと思ってたら、食いしん坊さんのエッセイでした。この著者の米原万里さんのことは全く知らなかったので(若くして亡くなったことも)、バブル時代に旺盛にエネルギッシュに生きた働く女性のエッセイと思って読むと感慨深くなりました。

金子由紀子さん的エッセンスを求めて続けて読んで見た。筑紫哲也のニュース番組なんて見たことがなかったので、この著者がその番組のニュースキャスターだなんて知らなかった。「私はいまとても幸せで、家庭にも仕事にも恵まれていますけれども、それはこのようにして生きてきたからなのです、そう夢を持って、心に希望を持って! ドヤッ!」といったほわわーんとした内容で、えぇーっと、もうちょっとあのその具体的な戦術とかはないの? 具体的な数字も出てこないの? ないの、ないですねぇ、ないよねぇー。『小谷真生子さんが選挙に出たらぼかぁ必ず投票するね』っていうようなニュースキャスター好きなおじさんとかが読むと感心するかもしれないけど、10年後が50代になる私からすると、「いつも笑顔で」などというとぼけた戦略だけでこれからの10年を乗り越えられるかー、ボケー! もっと若いお嬢さん向きなのかにゃ? わたくしの購入ミスでした。

こんなすっとぼけた本よりもこっちを買えばよかったにゃー。

2 COMMENTS

ふなき

米原万理、オススメですよ~。エッセイも面白いけれど、「うそつきアーニャの真っ赤な真実」や、ドゥマゴ賞受賞作の「オリガ・モリゾブナの反語法」といった自伝的作品も良いです。
関連して、米原万理さんのお友達のイタリア語通訳、シモネッタ・ドッジこと田丸公美子さんのエッセイも是非!!世界って広くっていろんな人がいるな~と実感しますです。

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スガ

1990年から1997年くらいまで、私はテレビをほとんど見てなくて、この時代の世間の情報をあまり知らないまま過ごしてました。どうやって生きてたんだろう・・・不思議・・・。米原さんとか全然知らなくて、ほんとうに、どうやって生きていたのじゃろうかと心配になります、自分で。
いろいろとご本が出てるみたいなので、読んでみますねー。

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