サードマン抱きしめるよ見つけたいのに見つけられないんだな/「サードマン: 奇跡の生還へ導く人 (新潮文庫)」ジョン ガイガー

サードマン: 奇跡の生還へ導く人 (新潮文庫)

Amazonより。
遭難や漂流、宇宙空間、災害現場などで危機的状況に陥った者の傍らに突然、「何者か」が現れて、生還へと導く――。この不思議な第三者に命を救われたという話は少なくない。冒険家のシャクルトンや登山家のメスナー、飛行士のリンドバーグほか有名無名を問わず数多くの事例を紹介し、脳科学や精神医学、宗教学の研究成果も踏まえて、多面的にその正体に迫る、異色ノンフィクション。『奇跡の生還へ導く人』改題。

古今東西のあらゆるサードマン現象を網羅している。911で高層フロアから生きて地上にたどり着いた人、宇宙飛行士、無謀な富士山登山の果て生き延びたドイツ人、南極のスコット隊の探検を極限状態でトレースしたエドモンド・ヒラリーの息子たち、ユタ州のキャニオンランズ国立公園で落石事故に遭い自ら片腕を切り落として生還した青年まで、生きて還ってきたひとたちの物語。

その生きて還ってきたひとたちが、「そのとき、確かに、そこに誰かがいたんだ」という。とはいえ、生きて還ってこれなかったひとたちのそばにも誰かがいたんだろうなとも思う。そのひとたちの声はもう届かない。

 

もともとその誰かのことは「セカンドマン」といわれていたらしいのですが、ペアで行動しているときにも共通の誰かが現れたりする事例が増えたことから「サードマン」と呼び方が変わったというネタが結構面白かった。また、「そこに山があるから(正しくは「そこにエベレストがあるから」、しかもジョージ・マロリーの言葉)」のサー・エドモンド・ヒラリーが2008年に亡くなった最近の人ということも初めて知った。極地冒険野郎マクガイバー列伝といった内容でもございました、生きて還ってこないとサードマンのことさえ伝えられやしない。

解説は角幡唯介さん、「俺はまだサードマンを見ていない、結構いいところまでいったのにな」とのことでした、ちゃんちゃん!

 

キャニオンランズ国立公園の事故を映画化した作品。
127時間 (字幕版)

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