あらすじはギンレイホールのサイトから。
90年代半ばのロサンゼルス。小柄な13歳のスティーヴィーは暴力的な兄に怯えて暮らしていた。ある日、街のスケボーショップで自由でかっこいい少年たちと出会い、そのグループに近付こうとする… 90年代のカルチャーを背景に全編16mmフィルムで撮影された、俳優ジョナ・ヒル初監督の青春映画!
これが描かれている時代、私はすでにOLさんだったのでこの辺のカルチャーは横目で薄っすらと見ていただけでよくわからないのですが、見るべき世代のひとがみたら「うっ、懐かしい!」となる映画だと思います。
大人になりたくてたまらない13歳のスティーヴィーが、スケボーショップの少年たちに手引されて体験していく男の子としての通過儀礼のひとつひとつが、美しくいえば良き時代の青春の思い出、令和三年のいまでいえば「それを『やんちゃ』って言葉で済ますのか?」事案。大人になったいまみれば多少苦い思いをすることもあるでしょうけれど、監督はあえてそこを振り返りたかったのかもしれません。ラストのラストでぐっとくる。いやほんとうにぐっとくる。あああの子がそういう将来になっていくんだと思うと、自分の甥っ子のことのようにグッとくる。
監督はジョナ・ヒル。マネーボールでジョニー・デップの隣でジタバタしてたインテリデブ、ウルフ・オブ・ウォールストリートでレオナルド・デカプリオの隣でジタバタしていた共同創業者、いまはすっかりスリムになって、この映画では監督・制作・脚本をやってます。あんなマッチョな役柄の俳優さんがこうやって青春を振り返るのも、時代だと思いますわ、このツイートに似たものを感じますわ。 ほろ苦い思い出ってのは「わあああああー」って叫びながら布団の中に潜り込みたくなるたぐいのものだったりするのですね。人生、そんなんばっかりですわ。