わたくし、趣味のウェブサイトを新設せんとロゴデザインを考えているのですが、手書き文字っていいよねということでこちらのご本で勉強している途中です。
時代を経た今でも尚、参考になるすばらしい描き文字(図案文字)がたくさんある。そんなデザインに使われてきた優れた描き文字を、それを描いた人物別(生誕順)に掲載。人物の解説から、代表的な描き文字の作品を800点以上の図版で徹底的に紹介します。描き文字をまとめた書籍の決定版!
全ページカラーで収録されており、おっしゃる通り描き文字をまとめた書籍の決定版です。トップバッターは明治生まれの洋画家・書家の中村不折。島崎藤村の「若菜集」、神州一味噌、新宿中村屋、清酒の真澄などのロゴを手掛けた方です。
若菜集は1897年、中村屋は1909年、神州一味噌は1938年、真澄は制作年不詳ですが、こんな感じにカラー写真とともに紹介されているのです。私でも知ってる作家さんだと、竹久夢二、岸田劉生、芹沢けい介、田河水泡(田河水泡ってロゴ制作もやっていたのか!)、花森安治、宇野亜喜良、和田誠、山藤章二、檜垣紀六、赤松陽構造。檜垣紀六さんはダーティハリー、ベルサイユのばら、ゴジラ、ランボーなどのタイトル文字を。赤松陽構造は八重の桜、まほろ駅前狂騒曲、ゆきゆきて神軍、美しい夏キリシマなど。映画と描き文字は相性いいのね。
この一冊で、美しい手書き文字の仕事の数々を、手掛けたデザイナーの生い立ちとともに知ることができる本です。「デザイナーになるには、その手があったか!」と唸ったり。世の中にある「昔からこのロゴ変わらないなぁ」というものひとつひとつに、当たり前だけど制作者がいて、クライアントがいて、そのクライアントにダメ出し食らったり、カフェエでコーヒー飲みながら悩んだりしてきた古のデザイナーの姿が立ち上ってくるようです。ちょっとおすすめ。機会がありましたらぜひ!