今週の本と映画と夏着物/「わたしの叔父さん」「聖なる鹿殺し」

ツール・ド・フランスが始まったので毎晩刺繍してる。ポガチャルはいつまであんなに強いんだ問題! 今期イチオシの選手はファン・アールトです。いま一番切ない選手はマーク・カヴェンディッシュ、ステージ優勝できそうなレースで花を持たせてもらえず、その翌日に落車で鎖骨骨折でリタイア。そんな切ないことってある?
刺繍は、ゴッホの愛したアルルの風景です。アルルがゴッホを愛してくれたかどうかはまた別で、そこが人生のうまくいかないところです。

わたしの叔父さん

わたしの叔父さん(字幕版)

デンマークの自営酪農家族映画。とてもミニマムな映画。この作品を見たあとで、制作背景や撮影こぼれ話を読むといいと思います。逆に見終わるまでは、「2019年第32回東京国際映画祭(TIFF)東京サクラグランプリ受賞作品である」ということだけ知っていればいいです。まずは見て。事前知識を入れるな。感じろ!!

「聖なる鹿殺し」

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(字幕版)

コリン・ファレル、ニコール・キッドマン、バリー・ゴーガン主演。理不尽映画というには、バリー・ゴーガンが演じた役の気持ちはよくわかるのでそうとも言い切れない。ニコール・キッドマンの側に立ったら確かに理不尽にもほどがある。すべてが不穏すぎる。しかし、ニコール・キッドマンは美しすぎるからかこういう不穏な映画に好んで出演している印象すらある。それにしてもバリー・ゴーガンがうますぎる。これからも彼の出演作をずっと楽しんでいきたい。

しかし、こういう作品を経てからのコリン・ファレルという俳優ができあがったのです。イニシェリン島でアカデミー賞を取らせたかった。エブエブの勢いや熱狂というものにまかれたい気持ちはわからないでもないけれど・・・もったいないことをした。あの作品でダメだとしたら、冬季のアラスカで手負いになりながらも冷たい濁流にもまれつつ320kmの道のりを一人で歩き遂げ犯人に復讐するような映画を撮るしかないのではなかろうか。惜しいことをしました。

「「傷つきました」戦争 超過敏世代のデスロード」

「傷つきました」戦争 超過敏世代のデスロード

ジェンダー、人種、肌の色――正しさは“属性”で決まる?
人の立場や出自で行動をジャッジし、「傷つきました」の一言で議論が終了…… 歌手の髪型、ヨガの流行、日本風パーティにまで、過敏な抗議が止まらない。文化を検閲し社会を分断する風潮は、どこへ行き着くのか? フェミニストで反差別運動の旗手が、アメリカの議論に欠けている普遍主義の視点から、世界的ポリコレの暴走に対話の活路をもたらすエッセイ

世界中で起きている「傷つきました!あなたは私を傷つかせたのです」という一言でシャットダウンするあの論議! その事例を多数とりまとめた本。

キム・カーダシアンが「kimono」と名付けたブランドを売り出したことは。それでビジネスをしようとした点において確かに文化の盗用だと指摘したくなるものではあったが、彼女自身がkimonoを楽しむことに私は怒ったりしない。文化が広がることはいいことじゃないですか、と無邪気に読んでいくのですが、いまの世間はそういうことは許さないらしい。カナダの大学生たちは「ヨガをすることはインド人の尊厳を奪うことだ!」とヨガを禁止してるそうです。んんんーーちょっとなにいってるかわからない。

とはいえ、彼女が寄稿していたシャルリー・エブドだって結構微妙だったではないですか。著者の怒りにわざわざ本を手にとってまでつきあうものではないなと思いました。一旦棚上げ。

夏着物

麻の半襦袢を買った! 畳表の草履はもとよりある! 句会に小千谷縮の着物を着ていった、「わたし、いいもの持ってるなぁ」としみじみつぶやきながら・・・。句会のテーブルで袖をひっかけワイングラスをバシャーンとやる懸念もありましたので、たすき掛けの腰紐も持っていきました。準備いい~! 楽しかったです。

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