今週の本と映画と葉月尽

概況

8/26-9/1 一件納品。のんびりムードに。台風10号が長期滞在していて九州地方や静岡県・神奈川県は大変な被害が。また台風から離れたところで雨の被害が、という気象予報士のいったとおり、北海道では石勝線で土砂崩れが。人口の減少が進む中、インフラをどう整備していき、国民の生活を維持していくべきか真剣に考えなくてはいけない状況だ。

そんな中、大谷さんのデコピンちゃんが始球式で大活躍。そのあと大谷さんは先頭打者ホームラン。なんなのこの一家!
大谷さんは、デコちゃんにしか見ることのできない謎の神オーラを家でも出しているのではなかろうかどうだろうか。アシリパさんにかいぐりかいぐりされて遊んでるときのレタラが、杉元がきた途端、突然キリッとするような感じで過ごしているのではないだろうか。デコピンちゃん、大谷さんの目を盗んで真美子夫人にベッタベタゴロゴロ甘えていてほしい。無邪気に犬らしく過ごしていてほしい。

猫は健康。今年の3月に2.6kgの猫が、いま3.2kgって一体どういうこと!? この調子この調子!

映画「劇場版銀河鉄道999」

「後味悪いも何も、そもそもがいたいけな少年をネジにするために騙して連れ去るヒューマン・トラフィッキングをテーマにしたマンガである。」というポストをXで見て、突然銀河鉄道999を読み返したくなり、しかし全21巻の長大作品、どうしたものかと悩んでいたら、カヲルちゃんが「劇場版銀河鉄道999を見るとまとまりがいいですぜ」ということで見てみた。

1979年8月劇場公開の作品ですよ。45年も前に日本はこんなアニメーション作品を生み出していたのかと驚いた。ビロードのような緑色の布張りの直角の椅子は昔の国鉄の座席そのもので長期旅行には不向きだろうし、座席と座席の間には銀色の蓋付きの灰皿が備え付けられているし、アンドロメダまで行く長期鉄道旅行の代金を払うのに大量の札束を料金支払い機に突っ込んだり、鉄道乗車券はどうみても紙のようで、「あの当時、予測できた未来のアイテム」に限度はあるとはいえ、こんな物語をよく思いつき、作品に残したものだと感動した。劇伴は派手で重厚で、でも最後のゴダイゴの音楽で爽やかなエンディングとなり、少年時代が終わったことを視聴者も実感する。松本零士先生は偉大なのだ。

しかし最近の漫画の主人公は全然宇宙にいかず、異世界にばかり行っている。いいのか、SFの表現世界はいまは一旦落ち着いた踊り場状態なのかしら。

映画「ポライト・ソサエティ」

ロンドンで暮らすパキスタン人一家。麻雀仲間との交流会で上流ホテルでアフタヌーンティーを楽しんでいる主人公のお母さん。「お嬢さんがいらっしゃるの? ぜひうちの息子の誕生日パーティにきてちょうだい」と大迫力マダムに声をかけられ、主人公と主人公のお姉ちゃんが着飾ってパーティに行くことに・・・

女の子の成長と友情! 美人でかっこいいお姉ちゃん!
すぐ娘のことを叩くお母さん、子どもたちに甘いお父さん!
スタントマンラブ! 映画ラブ! デス・プルーフ・イン・グラインドカマロ!
ジャイ子がすごくいい!(見ればわかる)

雰囲気のある黄色いフォントに、タランティーノ監督の衣鉢を継いだスピリッツを感じ取ることができ、優雅で派手で血みどろのカンフーアクションも見どころ満載。多くの人が楽しめる作品なのでは。ジャイ子がジャイ子ですごくいいんだよぅ。ちなみに本国で公開したときは大コケしたそうです、うん、わからんでもない。もうちょっと耳馴染みの良いタイトルだとよかったかも。104分。でもよかったよ!

「英語力を鍛えたいなら、あえて訳す」

台風なので家の中の積読本を消化するために手を取った。「分かったつもり」にならないための英訳エクササイズとあるように、中級者以上向けというか正確な翻訳を仕事とするひとたちのために書かれたコラム本のような内容。英語の映画を見て、スクリプトを探してきてちらちら読むことがあるんだけど、「このセリフが字幕ではああなるのか」と驚くことたくさん。つまりそういう人たちのための本だと思います。好奇心がくすぐられるので、たまに取り出して読むのも良さそう。

「五月の雪 (Shinchosha CREST BOOKS)」

積読消化その2。ロシア北東部の町マガダンを舞台にした短編集。それぞれが実はひとつの家族のことについて語っている連作集で、なんでこの本を積読しておいたのかと後悔した。

マガダンって、樺太のずっと上、オホーツク海の最北の海岸にあたるロシアの思想犯が移送される最北東の地。表紙写真は、「地球家族―世界30か国のふつうの暮らし」のロシアの家族写真。この物語にぴったりなテーマ。

各章のタイトルです。ソ連からロシアになっていく過程に思いを馳せながら。
 イタリアの恋愛、バナナの行列 1975
 皮下の骨折 2012
 魔女 1989
 イチゴ色の口紅 1958
 絶対つかまらない復讐団 1993
 ルンバ 1996
 夏の医学 1993
 クルチナ 1998
 上階の住人 1997

映画「オーバーフェンス」

その生涯において五度も芥川賞にノミネートされながら受賞することなく逝った佐藤泰志。
「オーバー・フェンス」は彼にとって最後の芥川賞候補となった作品で、作家活動に挫折しかけた時代に職業訓練校に通っていた自身の体験を基にした物語である。

東京から函館に帰ってきた失業中おじさん・オダギリジョーは、職業訓練校に通っている。引っ越しの荷物も解かず、弁当と缶ビール2本の夕食。職業訓練校には自転車で通学。クラスの面々は、松田翔太、満島真之介、北村有起哉、鈴木常吉。そんな毎日を過ごすなか彼は・・

「蒼井優ちゃん、体当たりがすぎるわよ、誰か上着をかけてあげて!」という邦画らしいシーンもあります。オダジョーのハンケツも見てしまった。なぜかこういうところに邦画らしさを感じてしまう私もよくないと思う。

松田翔太はいわずもがなで、満島真之介、北村有起哉、鈴木常吉、この3人がとてもよかったです。うまいなぁみんな。

映画「箱男」

難作だったと思う。よく映像化したなって。手書きの筆跡にすごくこだわった作品で、物語の最後の最後までそのスピリッツが貫かれている。

作家・安部公房が1973年に発表した同名長編小説を、「狂い咲きサンダーロード」「蜜のあわれ」などの鬼才・石井岳龍監督が映画化。
(中略)
1997年に映画の製作が決定したもののクランクイン直前に撮影が頓挫してしまった幻の企画が、27年の時を経て実現に至った。27年前の企画でも主演予定だった永瀬正敏が“わたし”を演じ、“わたし”をつけ狙って箱男の存在を乗っ取ろうとするニセ医者役で浅野忠信、箱男を完全犯罪に利用しようともくろむ軍医役で佐藤浩市、“わたし”を誘惑する謎の女・葉子役で白本彩奈が共演。

白本彩奈さん、体当たりがすぎるわ! 誰か上着をかけてあげて!! とか思っていたら永瀬正敏さんも体当たりが過ぎるわ!! 誰かバスローブとか大きめの布をかけてあげて! 深淵を覗くとき深淵もまたアレだわ! 

エンドロールでの仕掛けがグッと来る。この仕掛けは1997年の当時では実装できなかったものだったろうし、これによりより見る人によりホニャララだと思う。お時間がありましたらぜひ。原作を読んでこの作品の感想をより深めていきたい。

「英国の本屋さんの間取り」

「河童が覗いたヨーロッパ」で間取り本の薫陶を受けたわたしたち世代にぐっとくる本がまたひとつ。イギリスに長逗留して全部巡ってみても楽しそう。各本屋さんのおすすめ本が写真で紹介されており、それがまたそれぞれの本屋の個性を際立たせていて、こんな本があるのかという発見も。

この本、大きい版でまた読み返したいな。

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