5kg痩せて見える着付け

昨夜は子羊コラーゲン鍋大会。今年はチーム子羊のみなさんからお誕生日プレゼントとして藤沢周平未読本を年の数だけ贈っていただき、毎晩毎晩にやにやしながら少しずつ少しずつ味わって読んでいるところです。昨夜は、その贈呈目録まで頂戴し、しかもその目録は、藤沢周平の文庫全リストでもあり、今回いただいた本、既読本、そのどちらにも属さないものが一覧でわかる素晴らしいもの。もー。ばかばかっ、あたい泣いてなんかないんだからねっ、煙が目にしみただけなんだからねっ。心砕いてもらってほんとにありがとう。
くだんのロシア帽をみんなでかぶってみた。ララはメーテル、カサは50年代風モデル、ジャミロクアイ風ヨヨ・・・みんなにそれぞれ似合ってしまう不思議ロシア帽。とらやに在庫があるかもしれないので、帽子好きはいそげ!
昨夜のキモノ
・大輪の菊が咲く柿渋染め(絣)
・Y夫人から頂戴した緑の梅の帯

先日某所で簡単な着付け講座を受けさせてもらいました。そのとき私は、久米島紬を着ておりました。久米島紬は、茶褐色にオレンジや黄色、白といった力強い色の絣が入った織物で、ともすれば絣柄が若干野暮ったく見えてしまうかもしれません。なので、着るとき別の勇気がいったものです。
しかし、それは私の勘違い。野暮ったかったのはキモノではなく、私の着付けだったのです。
その着付け講座でちょこちょこっと直してもらったら、途端に垢抜けてしまったのです。アレー? アレアレ? なにが違うのかしら? 私は5年間いったい何を着てきたのかしら? 私なりに理解したポイントは以下の4つ。
1.衿をあわせる角度が違う
2.衿の抜き加減が違う

このふたつがぴったり決まると、肩のあたりのしわが取れることが判明。下に着た襦袢のラインにあわせて、肩から背中にかけての着物のラインがすごくきれいになり、色っぽくなる。
3.いっそのこと補正はしない
4.おはしょりを前後あわせて完全に一重にして、あんこにしちゃう

これが決まると、歩くときの裾さばきがすごく楽になる。帯も重くない。腰まわりがすっきりするので、5kgほど痩せて見える、これは同行した毒舌気味の友人が三回ほどきっぱりと言っていたので事実だと思います。
私は今まで5年間いったいなにを着てきたのでしょうか! 
5年間本当に自信を持って着られた回数がすごく少なかったのですが、それは衿あわせがおかしかったからだったんだなー。ほんのちょっとおかしいだけ、なんだけど、それが全体をかなりおかしくさせていたのではないかと。ボタンの掛け違いで始まった夫婦のすれ違いがやがて離婚という結末を迎えてしまうかのような(ひどい例え)。しかし、私は5年間本当にいったいなにを・・。
思えば『補正しませんもの!』→『いえいえ、やっぱりちゃんとします』という両岸を行ったりきたり。
『補正しない時代』は、まだまだ着物のことがわかってなくて、恐るべき自分流の着付けでした。そのほうが色っぽいかも、つやがあるかも、と思っていたけれど、自分の着物姿の写真を見て考えをすっぱりと改めました。初心者はおとなしく着付けをきちんと習っておいたほうがよいのです。完成形を学んでからくずしていくべきなのです。
私は初心者のくせにちゃんとした着物に早い段階から手を出していましたが、その写真を見て、産地の人がこの着物姿を見たらさぞかしがっかりするだろうなーと思いいたりました。また、おつきあいしている着物屋さん(青山のお店じゃないよ)が補正推進派だったので、今度は針が大きく反対側に揺れて随分な補正っ子に。そしてその補正がどんどんエスカレートするかと思っていた矢先に、このナチュラル着痩せ着付けに出会ったわけです(着痩せが主眼ではありません)。
ただ、この補正推進派着付けとナチュラル着付けの違うところは、補正するかしないかという点だけで、その他の要所要所のポイントはどちらも同じ。如何に私がそのポイントを抑えずに5年間着物を着てきたかという話でもありますわね。イヤーンヌ。なにより野暮ったいと思っていた久米島紬がものすごく垢抜けてみえたのが衝撃。個性的すぎてどうしようかと持て余していた産地の力強い着物も、もしかしたらこの着付けで着こなせるようになるかもしれません。着付けは万人における黄金の法則はないと思います。自分の年齢・体型・着物、そして時代にあわせて意識して着付けすることが大事ではないかと思います。
「母さん、また新しい地平が開けたよ」と叫びながら、次なるキモノミチ2008。

4 COMMENTS

MI子

私、この変身現場を見ていましたが
(は!毒舌女が私だとばれてしまった!)
本当にスガさんはすっきりと色っぽい、
「前から見ても後ろから見てもいい女」に
すっかり変身してました!
特に後姿の肩の線がぐっと色っぽい。
この日は風邪気味だったスガさん、
会ったときは何となくもや~んとしてたのに、
着付けが変わったらしゃっきり!
小粋な女は着付けで作られるのでした。

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あけぽん

こんにちは。
初カキコです。
衿の抜き加減が違っていたとのことですが
それは今まで抜きすぎていたのでしょうか
それとも抜きが足りなかったのでしょうか。
とても気になります。
それからそれから
補正しないと細く見えるのは
なんとなく理屈からしてわかるのですが
裾さばきが良くなるのは
なぜ?????でしょう????
う~。補正なし着付けが気になりすぎて
仕事が手につきません(汗)

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スガ

はじめまして、あけぽんさん。でも、どうぞ仕事してください。。。
さて、衿ですが、私はヌキが足りなかったのです。ヌキが足りないというか、一日着ていたら自然に衿のヌキが元の状態に戻ってしまう角度だったというべきか、襦袢を着るときの腰紐を締める力が弱すぎたというか。ヌキが足りなくなってしまったのは着物初心者のときに、おっかないお直しおばさんにすっごく叱られたため。それ以来どうも抜く勇気がなくなってしまって。
裾さばきですが、これはどちらかというとおはしょりをきれいに裁くことと関連しているようです。腰まわりでもたついていたであろう布地を全部臍上に持っていくため、あるくのも楽、腰かけるのも楽、見た目もすっきりで、お尻周りが見た目数センチほどほっそり見えるのではないかと思います。
って、着物着ている方だったらとっくの昔に会得されていることを得々と書いてしまったようで恥ずかしいです。
MI子さん、本当にあれでかすりモノが怖くなくなりましたよ! レッツ産地礼賛!!!!

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あけぽん

スガさん、ありがとうございます!
確かに腰まわりの「おは処理」
(いつも格闘しているのでこう呼んでます。笑。)
くせものです。
そうか、補正がなくて、腰周りの「おは処理」がうまくいけば、やせて見えて、裾さばきも良くなりそうですね。
納得です。
今週末にキモノを着るときにチャレンジしてみようと思います。
ちなみに「おっかないお直しおばさん」とは
人形町のお店の人でしたっけ?
私、住まいがあの辺りなのです。
おばさんに見つからないように気をつけます。

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