あとは長谷川町子かしら。
北欧から逃れてやってきた人々が、彼の地の言葉や伝承された歌を歌いながら暮らす様子を描いたアリステア・マクラウドの「冬の犬」を読み、あらあら、ヴィンランド・サガの末裔たちはこうなるのかちらどうかちら、と興味を持ち、さらに松屋銀座でムーミン展が開催されるとのことで私の中でにわかに北欧に興味が湧き、ムーミン+北欧で掛け合わせるとトーベ・ヤンソンの翻訳者山室静さんの著作を読むのが早いのではないかと思い至り、アマゾンで探してみたら昔話てんこ盛りの「新編 世界むかし話集」シリーズに出会い、Kindle で購入して読んでみました。全然知らなかったのですが、山室静さんは長野県佐久市のお生まれで、佐久市の図書館にはいまも山室さんの寄贈本コーナーがあるそうな。ふむふむ。
で、ですね、悪者は大体釘を打ち付けた樽の中に入れられてゴロゴロゴロゴロ転がされて死に至らしめられるのです。ぎゃー、残酷! 二人の娘にコナかけてそのうち一人と婚約、もうひとりは「知らね」ってほっといた王様の物語、捨てられた女は長い時間をかけて復讐することを誓うのですが、最後には馬のしっぽに括りつけられ馬に踏み殺されるという罰を受けます。ぎゃー、王様ひどすぎるですぜ!
ノルウェーには「海の水はなぜからい」というむかしばなしがあり、日本のあのお話と一緒で、正直者Aが手にした謎の臼、臼をごりごりごりごりして必要なだけ必要なものを手に入れていたのだけど、不届き者Bがこっそり盗みえらい目にあうっていうお話です。へー。こういう物語って万国共通であるんだ。
バルト諸国の小さな国々は地図を見ながら場所を確認し、ほぅほぅと読み進める。ちょっと良く出来た短篇集というふうでもあるのでよいですよ。全10冊シリーズなのですが、何度も読み返したくなる本になりそうなので、ぼつぼつぼつぼつKindle で買い揃えそうです。本棚のスペースに限りはありますし。まああれだ、キリスト教が行き渡らなかったところには色濃い昔話がたくさん残ってるので、そういうあたりもまたちょっとおもしろいところだと思います。
次はぐっとこちらに引き寄せてアジア編を。