葡萄食ふ赤子パワーを浴びながら/車谷長吉「人生の救い」/益田ミリ「ほしいものは、なんですか」/美魔女の業


わしと赤子。かわいい。小さい。新生児。

お友達が赤ちゃん産んだのでお祝いに行ってきた。まぁ赤子!かわいい!小さい!ふにゅふにゅ! 「いまどのくらいの大きさ? A4サイズ・・じゃないよね」などという会話をしながら、赤子を愛でながらおやつの時間。おじゃましてる間はずっとスヤスヤ寝ていて、その間、爆笑出産「滑らない話」を聞かせていただきました。今後も定期的にウォッチしに行こうっと。彼女ら家族に幸多かれ。


車谷長吉の人生相談 人生の救い (朝日文庫)
日曜にあったお友達に「爆笑人生相談だよ!」と進められて読んでみた。うわーん、全然爆笑できない。ひしひしと伝わってくるこの感覚は一体なんなのかしら! 「あなたはムシのいい人なんです」「高校教師なのに女子生徒に心を奪われてしまっているですって? 破綻して、職業も名誉も家庭も失った時、はじめて人間とはなにかということが見えるのです。あなたは高校の教師だそうですが、好きになった女生徒と出来てしまえばよいのです、すべてを失ってから人生が始まるのです」

 すべてを失ってから人生が始まるのです

ですって!!! 本当かしら! 

ほしいものはなんですか?

リナちゃんの問いかけ
「ママ、40歳はいやなの?」
「どうして 若いほうがお得なの?」
「どうして 女の人は習い事が好きなの?」
「大きくなったら 何になりたかったの?」

みなさんならどう答えますか?

その帯に惹かれて買ってみた読んでみた。40歳専業主婦ミナ子(かわいい子供とよく稼ぐ優しい夫、ローンはもうすぐ終わります、キリッ! だけど自分の存在感がないみたいで寂しい)とその義理の妹・タエ子(35歳で独身でマンション買って覚悟はできた、しかし将来の保証がほしいぞ)が、ミナ子の子供リナちゃんの問いかけに答えつつ自分の人生を見つめなおしていく、という漫画。そういうテーマの漫画だとわかって読んででも、まさに世代的にも時代的にも私にドンピシャなテーマであると理解して読んでいても、それでもなお私はこう感じてしまうのです。

 ミナ子さん、なにがいったいご不満なの・・・

みんなが教えてくれる
私が幸せだってこと
言い聞かされてる気持ちになるのは
どうしてなんだろう

ミナ子さんもすべてを失ってみたらどうかしら。かわいい子供は手放したくない、ローンが終わる素敵なこの家も手放したくない、ちょっとだけでいいから男の人にちやほやされたい、綺麗って言われ続けたい、などというムシのいいことを願っているから満たされないのです。一度すべてを失ってしまえばいいのです。そこから人生が始まるのです。・・・ほんとかしら?

若い頃、綺麗って言われなくてよかったー(今ももちろん言われたことないけど)(いや、言われてないから今がこうなのか)。綺麗って言われたらその後の人生も、綺麗って言われ続けないとやっていけない気がする。言われなくなったときの現実に立ち向かわないといけなくなって、それが美魔女を量産してるんだと思う。それにひきかえ「かわいい」って便利な言葉ですよ「世間のみなさんはまったくわかってませんが、僕だけはその魅力をわかってますよ、えぇほんとですよ、嘘じゃないですよ」というのを短く言ってるんですよ。もっとみんな嫁や妻を「かわいい」と褒めそやせ! 「かわいい」ならプレッシャーにならないから! そんでもう美魔女はやめて、魔女でいいじゃん! レッツ魔女! 人は生きてたように老いていくんやでー! 取り繕ったって間に合わんのやでー! とかいいながらダイエット計画立ててるんですけどね。

そういう満たされない美魔女は「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」を見るといいと思うわ。 
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで スペシャル・エディション [DVD]
とか思っちゃうのが、専業主婦じゃない女のヒガミなのかもね。

などとハイボール片手にご本を読みながら、ブエルタ・ア・エスパーニャをチラチラ見ている素敵な新涼の季節でございますわ。ブエルタはいいねー、レース自体が渋いし、景色が荒っぽくて、そのわりに街は童話のように綺麗で、沿道の人もスタッフの人もみんな顔が濃くて。「ツール・ド・フランスで大怪我しちゃったぼくは、今回は本気出さないですよ」と言ってたコンタドールさんが牙むいた瞬間とか鳥肌たちましたわ。

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