あらすじはKindleから。
第153回芥川賞受賞作
「早う死にたか」
毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、
ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。
日々の筋トレ、転職活動。
肉体も生活も再構築中の青年の心は、衰えゆく生の隣で次第に変化して……。
閉塞感の中に可笑しみ漂う、新しい家族小説の誕生!
面白かった!!! この祖父と私の父親の世代が近く、このおじいちゃんほど弱まってはないのだけど、数々の言動がうちの父親にそっくり! そうか、男は老いるとこうなるのか、うちの父親だけじゃなかったのか。そしてこの青年の母親が老いた父親にむかって悪態をつくのだが、一言一句同じ言葉を私も口にしたことがある。ひゃああ! なんたること!
平成の家族小説、そしてこの世代のカップルはラブホテルは男女割り勘なんだなー。さらにこの作家さんは大変お上手な方なんだなー。彼の他の作品も読んでみたくなりました。文藝春秋で。
又吉さんのも羽田さんのもそうなんだけど、二十代半ばから三十代の青春って今はこんな感じなんだねという点についても広く共感を得られるのではないかと思います。本当に二作とも面白かったですよ。