現代ソマリランドと室町日本、かぶりすぎ!
人々の心の動きから法体系まで
こんなにも似ている社会が
時空を超えて存在していたとは!
その驚きからノンフィクション作家と歴史家が
世界の辺境と日本史を徹底比較。
辺境を知れば日本史の謎が、
日本史を知れば辺境の謎が解けてきた・・・・。
扉絵は山口晃先生の奨堕不楽圖、この本にこれ以上似つかわしい作品はあるでしょうか、いやない!
噂には聞いておりましたが、めっぽう面白かったどすえー。寝食も忘れて読みふけったの久しぶり。この本を読んでから読まなくてならない本が一気に増えたので、これからしばらく室町時代ネタにはまってゆきたいと思います。
この中で「源頼朝は義仲や義経を持て余してた」というくだりがあり、あぁわかる。わかるわー、頼朝はん、同情しますわー。義仲の田舎侍っぷり・乱暴狼藉っぷりはもとより、義経のなんでも暴力でねじ伏せようとする行動とか、これから都とうまくやっていかなくてはと考えていた頼朝にはさぞかし頭痛の種であったことでしょう。都とほどよく距離をおいたことでうまくやっていけた鎌倉幕府や江戸幕府の話なんかも大変に興味深うございました。古米のほうが値段が高かった話とか、荘園から共同体できていく話とか(山下和美の「ランド」みたいな側面もある)、中国から輸入していた貨幣でまわしていた貨幣経済だったのに(いまでいえば、ドルで回っているジンバブエみたいな)江戸時代にコメ経済に戻っていく話とか。あんまり面白くて読書メモがWordのA4サイズで2ページに達したくらいです。みなさまもぜひー。