礼節の国のしみじみシン・ゴジラ/『シン・ゴジラ』発声可能上映会と生中継舞台挨拶

シン・ゴジラ音楽集

昨年「マッド・マックス怒りのデスロード」の発声上映会に参加した友人が「すっごく楽しかったー」と言ってたのが羨ましくって、わたしもそんな発声上映会の機会がありましたらぜひ行ってみたいものですじゃと思っていたところ、東宝シネマが全国25館同時開催してくれるというのでチケット予約して六本木ヒルズの東宝シネマに行ってきました。上映後には舞台挨拶があるというのでそれもお楽しみ事案です。

その友人に「なにもっていけばいいの?」と質問したところ、『MMFRではクラッカーバンバン鳴らして楽しかった』『サイリウムがあるとテンションあがる』とのこと、東宝側からは鳴り物禁止令が出ていたのでクラッカーは諦めることに。南北線六本木一丁目駅で下車してドン・キホーテに立ち寄りおもちゃ売り場でサイリウムを生まれて初めて買った。わたしの人生でサイリウムを買うような局面がやってくるとは! そしてこのサイリウム、今夜の発声上映会を過ぎたら何に使えばいいのか!

そして発声上映会。通常通り予告編が15分流れ、上映開始。「蒲田ちゃーん」「逃げてー」「動くのか」「前よりおおきいー」「花森さんかっこいいー」「財前さーん!」「総理決断をー」「決断をー」「尾頭さーん」などなどの掛け声とともに、軽快な音楽にはみんなで手拍子を、赤坂さんと矢口さんが並ぶだけでなぜか客席から「ひゅーひゅー」と冷やかしの声が、ゴジラがキシャーとする場面ではブルーのサイリウムを、タバ作戦には自衛隊の色に合わせて緑色の光を、ヤシオリ作戦には各々好きな在来線の色に合わせてとりどりに、エンドロールが終わったらみんなで盛大に拍手。ふぅ、楽しかった、ほほう発声上映会とはこういうものなのですかと楽しんで参りました。

難点というかお楽しみというか、客席のサイリウムの色が反射してスクリーンの色が染まってしまうのがサーモグラフィーみたいで面白かった。上映中に声出せるのは楽しいんだけど、要日本語字幕。みんなの声に早口のセリフかき消されてしまうのが残念。あの密度の高いセリフが余すことなく記載された字幕版があれば見たいものですな。映画見て「ふふっ」とか「ははっ」と小さく声にだして笑いたいタイプのわたくし、あるとき友人と映画に行ったら「笑い声がうるさい」と叱られてションボリスタ。そういう感情の発露が我慢できない人たちにとってはありがたい上映会でした。楽しかったです。シンゴジラの発声上映会に参加してよかったです、ういままで一番リラックスして見られたもの。

今回のポイントです。

上映終了後の舞台挨拶は、「まずは君が落ち着け」の泉ちゃんこと松尾諭さん(保守第一党政調副会長泉修一)がMC、市川実日子さん(環境省自然環境局野生生物課長補佐尾頭ヒロミ)と高橋一生さん(文部科学省研究振興局基礎研究振興課長安田龍彦)と庵野監督が登壇。あとで気がついたんだけど、高橋一生さんってキル・ビルのクレイジー88の構成員だったよね、うわー、あの少年が!!! 安田課長! しかもシンゴジラ出演時より痩せてシュッとしてちょっと蒲田ちゃん要素がなくもないただのイケメンではないですか! 

市川実日子さん、足綺麗・・・何やってもかわいい・・・・庵野監督、不思議な人・・・松尾さん、MCが少々グダグダ・・・がんばれ松尾さん・・・市川さんも庵野さんも高橋さんも原則フリーダムな人・・・会場の質問コーナーも「この作品の狙いは内閣腐ってことですか?」「志村と矢口さんがどうこうなると思ってたんですか?」などという作品の本質にまったく踏み込まないものばかり・・・松尾さん、がんばって、誰もあなたを助けてくれないよ、そこにいる人だけでなんとか乗り切らなきゃいけないんだよ・・・と思っていたときでした。

「いないものをあてにするな!」

という男性の声が客席から。まっまさか! ぎゃーん、まさかの長谷川博己さんが客席からサプライズ登場!!! そこまでのグダグダとした舞台挨拶が、長谷川さんの出現で一変してキリッとしたものに。この辺のやりとりはこちらにまとまってますのでご興味ある方どうぞ。

【矢口サプライズ登場からの逆水ドン!続編は「東宝に聞いて」 シンゴジラ #発声可能上映】

まぁでも、大の大人が役柄コスプレとはいえ、みんながみんな無地の黒のスーツに白いシャツっていう姿で登壇する舞台挨拶って地味というか日本の現代の縮図というか・・・。泉ちゃんが唯一政治家らしいスーツ姿をしてたけど、海外で上映されたら「みんながみんな、大人になっても制服みたいなお揃いの洋服で働く国なんだ」って思うわよね、まぁ思うわよね・・・・。

あぁ面白かった。わたしは一人で行ったのだけど、隣も一人でやってきた女性。発声上映を楽しむにはわたしも彼女も随分と控えめな楽しみ方をしていたと思うのですが、舞台挨拶が終わり照明がついたとき、席を立った彼女が「お疲れ様でした」と声をかけてくれました。わたしも「よいゴジラでした」とお応えしました。さすが礼節の国、シンゴジラという娯楽大作であっても、わたしたちは鑑賞後お互いをいたわりあえるものなのです。これが発声上映会がもたらすもの、なんて美しいことでしょう。

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