ギンレイホールで「」に登場している仕事中にもウィスキーを飲み続けるベテラン弁護士が、どこかで見たことのあるおじさんであれ、あれ、あれ、この人、トム・ウィルキンソンさんという俳優ではなかったかしら、あれあれあれ、この人が出ている映画を他にも見たことがあるような記憶がするのですが、と記憶とWikipediaをたぐってみたら、映画「フル・モンティ」に出ていた。このジャケットの一番奥の人ね。
かつては鉄鋼業で栄えたヨークシャーのシェフィールドという街を舞台に失業中の男たち6人が集まって一攫千金男のストリップをやるぞ、っていうお話。管理職だったのに失業してしまったトム・ウィルキンソン、その部下で同じく失業中で犯罪者顔のロバート・カーライル。amazonで100円でレンタルできるというし、90分という短い映画なのでさっと見返してみた。音楽はいろいろ覚えていたのに物語の細部はちっとも覚えてなかったなーと思いながら見返した。
この映画も「否定と肯定」と同じく1995年頃を舞台にしているんだけど、監視カメラに写ったダンスの練習動画を再生しているモニタはやっぱりJVCだった。あの時代のヨーロッパは、JVCのモニタが席巻してたいのか、知らなかった! しかし、なぜあの会社は消滅してしまったのか。。
ほんとうの愛ってなんじゃらほいと考えさせられるよい映画です。一部で芸を究めたりゲイを究めたり、客席で奥さんたちが歓喜の声をあげるシーンとか、ほんとうに全裸でステージの上で踊っているトム・ウィルキンソンの中高年らしいちょっとたるんだ背中とか、いろいろひっくるめてほんとによい映画です。「幸せ映画は黄色ジャケットの法則」は、この作品が原点じゃないかと思ってます。この作品は、残りの人生でも何回か見返すことがあると思ってます。
錦織の試合を見ようと待機しながらチャンネルを変えたらトゥルー・ロマンスのディレクターズ・カットをやっていたので正座してみた。1993年作品。監督はトニー・スコット、音楽はハンス・ジマー(ダンケルクのハンス・ジマー!)、脚本はクエンティン・タランティーノ。これだけだって豪華だけど、配役もすごい。
クリスチャン・スレーター、パトリシア・アークエット、デニス・ホッパー、ブラッド・ピット、クリストファー・ウォーケン、ゲイリー・オールドマン、サミュエル・L・ジャクソン。主役以外がみんな大物に・・。ティンコ撃たれて死ぬポン引きがゲイリー・オールドマンとはまったく気が付きませんでした。
さて物語のあらすじは。。主人公のクラレンスはコールガールのアラバマと恋に落ちる、そして結婚する、ついでに大量の上質なコカインも手に入れちゃう。これを捌けば一攫千金、貧乏暮らしにおさらばしてメキシコで暮らそうぜ、とウキウキ画策するものの、ヤクザと警察が彼らを追ってきて・・・
携帯はあるけど、メールやスマホがないから犯罪のペースがちょっとのんびりしてるのが時代。クラレンスとアラバマちゃんは恋に落ちて数十時間後の状態でしかもお二人とも若い、暇さえあればおっ始めてしまう。コカインさばき終わったあとにも早速おっぱじめてしまいそうになる。あぁ、この節操の無さ! これではまるでゴールデンカムイの稲妻小僧と蝮のお銀ではありませんか。
若い頃見た映画の記憶というものは鮮烈なものなのでしょうか、「このあとワインの栓抜きで反撃するんだよね」などと映画の細部まで詳しく記憶していた。鑑賞中の二時間は自分の記憶を確認するような時間でもあったんだけど、若さ爆発・バカップル逃避行映画は、いまみても十分面白い。ふしだらだけどチャーミングなアラバマ、人生がすべてうまくいくと舐めきっているクラランス、圧倒的な暴力を行使する人々、そういった人物たちから息子を守る父親、あと、かわいくて頭の良さそうな犬がちらっとでてくるよい映画。
アラバマを演じたパトリシア・アークエットは、リチャード・リンクレイターの『6才のボクが、大人になるまで。』で母親役を演じてアカデミー賞の助演女優賞を受賞しているのですよね、こちらも近々見ようっと。