東京都九庭園の年パスで/旧岩崎邸庭園/常盤橋ゴジラギャラリー

東京都九庭園年間パスポートで一番高い入場料を誇るのは、上野御徒町駅・池之端の「旧岩崎邸庭園」。越後高田藩榊原家の中屋敷であったところを、岩崎弥太郎が邸宅地を購入し、その後、岩崎財閥三代目岩崎久彌が洋館に建て替えたもの。

典型的な大名庭園を青々とした芝生の広い庭に作り変え、ジョサイヤ・コンドル設計の広いサンルームと客間を複数持つ大きな洋館どーんと建築。ガラスのうつわはすべてバカラ、しかもネーム入り。贅を尽くしたインテリアと、きらびやかな金唐革紙の壁紙。館内入ってすぐには久弥一家の集合写真に写る久弥と美しい妻と娘たち、そして頼もしい息子たち。それに添えられた絢爛たる家系図! 後藤象二郎の妹って岩崎弥太郎の弟と結婚してたの、そんなん初めて知ったわ。

いやはやいやはや。私の頭の中ではすっかり香川照之で再生されてしまう岩崎弥太郎象ですが、弥太郎一家が高知から出てこなかったら、六義園も箱根の吉池旅館もこの建物も残されていなかったのかもしれないのです。この建物のすぐ裏手に公益財団法人三菱経済研究所所有の三菱史料館があり、これこそ弥太郎が高知の・・・(以下略)。「岩崎弥太郎象で大河ドラマってやらないの? やってもいいんじゃない?」と口をあんぐりして庭園を後にしました。

そのあと、紆余曲折して日本橋方面から東京駅に出た。常盤橋で、三菱地所が「まだ基礎工事も終わってないのに、映画の中でシンゴジラに豪快に倒されたビル」を作ってた。しかも「常盤橋ゴジラギャラリー」として、過去のゴジラ映画ポスターを大きく伸ばしてアウトドア展覧会してくれてた。やるねー、自分たちできっちりネタを消化していてえらいねぇー。これだって弥太郎が高知から(以下略)。

弥太郎一家が高知から出てこなかったら一体どんな世の中だったのでしょうと、桂浜と「ぶんきゅーうさんねん」という音声に思いを馳せながら、完璧な初夏の日曜日を、わたくしは過ごしたのでした。

 

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2 COMMENTS

ラミー

岩崎弥太郎=香川照之 
わかりますわかります。
東京のこちらにはなかなか行く機会が無いのですが、高知の弥太郎生家は手厚く三菱によって保存管理されておりました。
ドラマのお家よりは綺麗で広かったのですが、どちらがデフォルメでしょう(笑)。
生家の茅葺屋根は定期的に葺き替えられるそうですが、職人さんが居なくて大変なのだとか。
こちらの生家の屋根は、岡山の後楽園内の屋敷を葺き替えたのと同じ、岡山の職人さんなのですって。

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ukasuga

香川照之の生家は、出世してゴージャスに建て替えたあとのものが残されているのかも? 
> こちらの生家の屋根は、岡山の後楽園内の屋敷を葺き替えたのと同じ、岡山の職人さんなのですって。
こういう話、大好きです!!! 無隣庵と旧古河庭園の作庭師が同じ人だとか、そういうの。交通機関がないなりに、昔の人も旺盛に移動していたものですよね。

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