春火鉢夜と灯りとシュナプスと/クレメンス マイヤー「夜と灯りと」/飯田橋のブックオフ最強伝説

夜と灯りと (新潮クレスト・ブックス)

著者のクレメンス・マイヤー氏のプロフィールを。新潮のサイトから。
1977年、東ドイツ・ハレ生まれ。建設作業、家具運送、警備などの仕事を経て、1998年から2003年までライプツィヒ・ドイツ文学研究所に学ぶ。ドイツ再統一前後の東ドイツの不良少年たちのリアルな生態を描いた初長篇『おれたちが夢見た頃』(2006)は、“東独版トレインスポッティング”などと評されてベストセラーに。多数の文学賞を受賞し、舞台化もされた。2008年、2作目となる『夜と灯りと』でライプツィヒ・ブック・フェア文学賞受賞。ライプツィヒ在住。

シュナップスというのは、ドイツの蒸留酒で、少ない量ですぐ酔っぱらえることができるアルコール度数の強いお酒で、チェイサー代わりに飲んだり、最初の一杯である程度酔ってしまい効率的に酔っ払いたいときに飲むそうです。おそらくドイツの「ストロングゼロ」的存在で、こういうのを飲んでないとやってられない人たちの物語です。

この本は2008年にドイツで出版されました。そのときマイヤー氏御年30歳、若い! 東西ドイツが合併して、しかしなお置き去りにされてしまった負け組の人たちの現在を描いた短編集で、デビュー作は東ドイツの「トレイン・スポッティング」と呼ばれましたが、若くはない人間たちのほろ苦い話が詰まった本短編集は私にとってはまるで東ドイツの「長距離走者の孤独」。こういう海外の先進国の名も知らぬ作家の、味のある短編集にうっかり出会えるのですから、新潮クレスト・ブックスは侮れません。

が、なぜか新潮クレスト・ブックスのサイトには既に情報なく、Amazonでも中古本しか扱いがないようです。既に絶版となっているのでしょうか。私は飯田橋のブックオフで見つけて買いました。

飯田橋のブックオフはすごいですよ、出版社やデザイン会社が多い場所柄のためか、「これ、献本されたやつ、そのまま流してきたでしょ?」「新潮の倉庫からまるっと流れてきたのかな?」というような1ページもめくられてないであろうピカピカの文芸書や新書が大量に並んでいます。「ブックオフはその地域の知的水準を映す鏡である」という言葉を耳にしたことがありますが、飯田橋店に限っては地域の業種を色濃く反映した古書店と思われます。新宿区の東端、ギンレイホールの近くです。みなさまもぜひ。

バーディネ ピーチシュナップス 700ML 1本

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