浅野和生「ヨーロッパの中世美術 大聖堂から写本まで」/西洋美術のとっかかりを勉強するつもりでいたら素晴らしい旅行ガイドブックだったでござるの巻/映画「星の旅人たち」

ヨーロッパの中世美術―大聖堂から写本まで (中公新書)

読んでるそばから、紹介されている大聖堂を google map にピンさしていきました。この本に触れたことをきっかけに、これから読むべき本もいくつか決まりました。大聖堂とは中世の建築技術の結晶でありそれそのものが美術作品、「パリから80kmのシャルトル大聖堂に拝みに行かないと!」という妙な使命感にいま燃えています。

本は、中世美術とキリスト教、壁画、聖遺物(聖☆おにいさんで読んだやつだー、みたいなコーナー)、イコンと祭壇画、中世のまちづくり、巡礼、修道院に分類されております。「巡礼」の章の冒頭の文章がよかったので、ここに書き写します。

「巡礼とはなにか」ある特定の場所に我が身をおき、そこにしかないものを実際に見ることによって精神的な満足を得る。そして多くの人が同じような考えでその特定の場所に行き、その満足を共有する。そういう意味では、宗教的巡礼も、ビートルズ詣も、変わるところはありません。

そう、宗教的巡礼もビートルズ詣も唐津巡礼(ねっけつフィギュアスケートアニメ)も箱根巡礼(ねっけつ箱根駅伝アニメ)も同じなのです。洋の東西を問わず人々が願い体験してきたことなのです。この力強い言葉におされ、次回はとくせいステッカーがほしいばかりに執り行った「チキチキ!風が強く吹いている 箱根巡礼レポート」をお送りします。おたのしみに☆

 

スペイン北西部の地の果て感たっぷりの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」。何年か前にいたましい鉄道事故が起きたところ、聖性を求めつつも、旅自体は俗っぽいあの「欧州のお伊勢参り」の下りなぞ、読んでいていろいろ感じるところがあった。

「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」は「星の野のヤコブ」という意味なんだそうですが、あぁ、だからあのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼をテーマにした「The way」というアメリカ映画は、「星の旅人たち」という邦題になったのかなどと理解することもできた。ゆるふわ邦題ってわけじゃなかったのか。でもジャケットがゆるふわ仕様。おいおい。

星の旅人たち [DVD]

ちなみに本国版はこちら。監督はエミリオ・エステベス、主演はマーティン・シーン。監督は、ローカルで解釈し直された独自ジャケットを見てどう思うのかしら。
The Way (Original Motion Soundtrack)

ドイツ版。
Dein Weg

フランス版。
The Way - La route ensemble

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